好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! - 2020年12月


2020 12 7

KADOKAWA 角川スニーカー文庫
涼宮ハルヒの直観 /谷川流

ミステリー、めんどくせーーーっっっ!!!!

『涼宮ハルヒ』シリーズ、9年半ぶりの新刊。三篇含む短編集だけど、「あてずっぽナンバーズ」「七不思議オーバータイム」の二つはページ数も少なく、メインは書下ろしの「鶴屋さんの挑戦」。

その「鶴屋さんの挑戦」はミステリー仕立ての作品というか、うわぁ、こんなミステリファン以外おいてけぼりな内容を『ハルヒ』でよくやるよ。いや、『ハルヒ』らしいといえば『ハルヒ』らしいし、それよりも、いかにも谷川流らしいけれど。でも、本来広い読者向けであるべき『ハルヒ』で、めちゅくちゃ狭いミステリファン向けの話を書いてどうするよ(笑)。

私はミステリに造詣が深いわけではないので、個人的には微妙な内容だったけれど、ただ、物語の先を感じさせる内容なのがよかった。一応、谷川流も、『ハルヒ』の続きを書くつもりなのかなぁ。再スタートと銘打っているわけではないし、次は何年後だ?って感じだけれども。

[ 涼宮ハルヒ ]


2020 12 14

オーバーラップ オーバーラップ文庫
ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで(6) /篠崎芳

大魔帝軍との激戦のあと、セラスとのラブラブモード。<をい

前巻での激しい戦闘の後だけあって、今回はいったん休憩。いや、後半の「勇の剣」との闘いは凄かったけどなー。今回は、桐原といい、「勇の剣」といい歪んで薄っぺらい人間の描き方が上手いわー。特に桐原、登録者20万人程度のYouTuberの言葉を真に受けるとか(笑)。とにかく、桐原の薄っぺらさが酷いんですけど、一応、勇者の中では最強の一角なのに、まだこのタイミングで雑魚っぽい描き方するのはちょっと早いと思うんだけど、どうなんだろ? もう、トーカの対抗馬としては委員長を推しに徹していくのかしらん? まあ、トーカとの相性を考えたら、もともと桐原は雑魚でしかないんだけど。

次からトーカに関しては禁呪を手に入れてパワーアップ展開なのはわかるんだけど、大魔帝軍含め世界情勢の先がまったく見当つかない。なんだ? 最後の展開はっっっ!!(爆笑)。いやー、先が楽しみで楽しみで仕方ないんだけど、Web版の最新話もちょうど6巻のラストまでなんだよなー。早く先が読みてー。

[ ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで ]


2020 12 21

TOブックス
本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部「女神の化身IV」 /香月美夜

旧ヴェローニカ派の粛清、その後。三年目の貴族院での生活も終わり、この巻はエーレンフェストへ戻ってからのアレコレ。いやー、ローゼマイン周辺の緩い人間関係を見てると忘れるけれど、主人公サイドでもふつーに反対派を大虐殺するような世界観なんだよな。さすが中世風世界、エグイ。

まあ、ジルヴェスターとヴィルフリートの二人は大変だけど、ローゼマイン自体のダメージは小さいので、わりと中休み的な感じの巻だな。激動の展開、はよ。……しかし、シャルロッテとかまだ子供なのに、ふつーに領主一族として政治してるのは、ほんとこの世界の人間は早熟だよなぁ。貴族院がだいたい小学生高学年~中学生ぐらいの設定なんだっけか。ということは、ジルヴェスター(笑)。ヴィルフリートが無能ゆえに不穏な雰囲気に描かれているけど、年齢を考えたらアレが当然なんだよなぁ。

[ 本好きの下剋上 ]