本好きの下剋上


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本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第一部「兵士の娘I」 /香月美夜

2017年上期のラノベ人気投票「好きラノ」で、圧倒的1位だったので購入。1冊1,000円を超えるので、まずは1巻だけ、と思っていたのだけど、あまりにおもしろいため、気がつけば、第二部まで揃えてたorz。既刊揃えると軽く1万円を超えるんだよな。しばらく寝不足が続きそうです……。

物語は、本のない世界に転生した読書狂が本を読むために紙やインク作りから始める異世界ファンタジー。作中でも突っ込まれてるけれど、TOKIOかっ。<をい 「小説家になろう」発なのだけど、ステレオタイプな なろう系というよりも、少女小説系の異世界ファンタジーに近い印象。逆境に放り込まれても、前向きな性格で頑張る女の子のストーリー。

技術がなにもない世界で本を中心にいろいろなモノを生み出していくのも面白いのだけど、やはり、主人公マインのキャラが愉快すぎる。病弱で成長が遅く見た目が三歳児。可愛い見た目と小狡い印象さえする中身とのギャップが楽しい。セリフ回し、単語のチョイスが秀逸で、キャラ毎の特徴や魅力を非常にうまく表現しているのんな。このマイン、読者視点ではあきらかに幼児としては異常なのだけど、そういう読者の違和感に対するエクスキューズもうまく用意していて、クオリティは非常に高い。クオリティといえば、中世ヨーロッパを下敷きにしている衛生環境や子供に対する風習、平民の暮らしぶりなどの見せ方も、うまいんだよなぁ。

ただ、紙を作ったりする知識が、読書狂の設定なのに、脳内にある10万3000冊の本の知識とかではなく、飽きっぽい母親に突き合わされたカルチャースクール的な知識なのはどうよ?と思わなくはなかったり。あとは、章タイトルが直截的すぎて、「今度はパピルスに失敗するのか」と読む前に次の展開がわかるのも、まあ、そこは好みの問題か。……ともかく、非常におもしろく先が気になって仕方ない。本どころか紙を作るだけでもまだまだ遠そうなのに、司書が目標って、いったいどういう(^^;。

[ 2017.11.10 ]


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本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第一部「兵士の娘II」 /香月美夜

異世界で読書狂が本づくりを目指すシリーズ第二巻。今回は、近所の男の子ルッツと商人ベンノの協力を受け、本格的な紙づくりを始める話。

マイン、転生前は大学生だったという設定なのだけど、ベンノとのやり取りを見てると普通に優秀な社会人という感じなのですがっ。マイン、マジ有能。それにしても、7歳になると見習いとして働き始めるような世界とはいえ小学校に上がるか上がらないかという歳の子が、大人とやりとりしたり ちまちま作業したりしてるのは、絵面を想像するとすごく微笑ましいよなぁん。

そして、巻末に収録されている短編「洗濯中の井戸端会議」が、家族からマインがどのように見られているかを愛情豊かに語られている短編に仕立てってあって、素晴らしい。や、本編があんな大変なところで終わっていているのに、ここでこの短編かよっ。マジ素晴らしすぎるなっ!!

[ 2017.11.11 ]


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本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第一部「兵士の娘III」 /香月美夜

グ〇コっっっっっっ!! その大事な場面でなぜグ〇コっ!! だはははははっ。いや、洗礼式以降の展開が大笑いすぎて、なんだこれ!? 爆笑。

異世界で本づくりを始めるシリーズ三巻目で第一部完結。ようやく紙づくりがうまくいったものの異世界特有の病気で倒れるマイン。フリーダの助力で生命を永らえるものの、同時に次がないことを知らされ……。と、不治の病で残り短い寿命を家族と静かに生きる感動的でシリアスな展開だったのに、洗礼式の一発ネタですべてを返された(爆笑)。いろいろと酷すぎる(誉め言葉)。

シリーズが続いているので助かることはわかるのだけど、ほんとマジかよ、その展開。正直、貴族に隷属するか諦めるのかの二択で、安易に第三の道を示すのは多少気にならないではないけど、いきなり凄い展開で笑った笑った。終盤も感動的だったような気がするのだけど、グ〇コの印象しかない(笑)。……第二部ではいろいろと大きく変わりそうだけど、さてどうなる!?

[ 2017.11.13 ]


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本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部「神殿の巫女見習いI」 /香月美夜

第二部スタート。異例の待遇で巫女見習いとなったマインは、今までの常識が通用しない神殿生活に苦労するが……。と、貴族も平民も忌避する神殿暮らし、さらに他の神官や巫女からはイジメられそうな状況だったので、正直、もっと酷い展開になるのかと思ったら、むしろ、閉鎖的な世界で周りに次々と影響を与えていくパターンか。物語としては、悪役っぽい神殿長が本気をだしてからが本番かしらん?

新キャラもたくさん出てきたけれど、その中ではデリアがいい味出してるね。「もー」。

[ 2017.11.14 ]


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本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部「神殿の巫女見習いII」 /香月美夜

読書狂が異世界で本を作るシリーズの5冊目。いよいよ、本が完成。感動(T-T)。

紙すらなかったスタート時点から、紆余曲折を重ね、とうとう本づくりに成功。ただただ感慨深い。パピルスや粘土板づくりを始めた時にはどうなるのかと思ったのだけど、まさか、ほんとうに一冊の本を作るまで来るとはっ!! 1巻の頃から考えると、すごく遠くまで来たなぁ……。

物語のほうは、平民から巫女見習いとなり、異なる常識に戸惑いながら周りを振り回していく展開。振り回されているものの、神官長はじめ、周りの人々も温かく見守っている感じがするのも良いな。……ただ、そういえば、同じ身食いで同世代唯一の女友達で命の恩人でもあるフリーダがまったく登場しなくなったのだけど、立場が変わったとはいえ、えっと。本文に書かれていないところでもしかしたら交流してるのかもしれないけれど、フリーダ、ものすごく心配してると思うのですけど……。

[ 2017.11.16 ]


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本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部「神殿の巫女見習いIII」 /香月美夜

読書狂が異世界でどうにか本を作りゆくゆくは司書を目指すシリーズ6冊目。ようやく第二部ラストに向けて、悪役の神殿長が本気を出してきたっ。

次回で第二部完結なので大きく動き出そうな雰囲気を出しつつも、物語は、本格的な印刷技術を整えたりしながら、まだまだ平常運転。ただ、シキコーザの処罰の件は、ちょっと重くてビックリ。いや、もっとえげつない展開にしようと思えばいくらでもできるのにそうしていないので、全体に緩い感じの作風・世界観かと思ってたよ……。

そういえば、第二部になってから巻頭の地図が隣国含めた国の地図になってるのだけど、にもかかわらず、終盤になっても第一部同様に街から出る気配がまったくなくて、これはいったいどういうこと?

[ 2017.11.17 ]


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本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部「神殿の巫女見習いIV」 /香月美夜

えぐえぐ号泣。感動の最高傑作級。

第二部完結。エピローグ前の「決別」で、めちゃくちゃ泣けた。ひたすら号泣(T-T)。いや、トゥーリや父さんとのやり取りがもうね。後半はずっと涙を流しながら読んでました。「家族を思って、溢れた魔力だから、家族のために使わなきゃダメなんだよ」。もう、感動しかない。……しかし、ダームエルすら祝福されているのに、フリーダは祝福されてない件。フリーダは友達じゃなかった(^^;。

物語は、神殿に捨てられた子供をきっかけに、神殿長がマイン排除に動き出す展開。大筋はオーソドックスなのだけど、デリアの扱いにはちとビックリ。基本的に優しい世界観だと思うのだけど、たまに、シンドイ設定を入れてくるよなぁ。ジル様の正体に関しては、バレバレすぎて「ですよねー」という感じしかないのだけど、そのせいで、大きく状況が変わる第三部もめちゃくちゃ楽しみですっ!!

[ 2017.11.19 ]


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本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第三部「領主の養女I」 /香月美夜

本好きシリーズ8冊目、第三部スタート。家族を守るためにそれまでの人生を捨て領主の養女となったマイン改めローゼマインは、新しい生活に戸惑いつつも本づくりに邁進する……。と、領主のジル様を見る限り、そう悪いことにはならないだろうとは思っていたのだけど、新しい家族も含め、みんないいひとなんだよな。そして、あそこまで感動的な別れを演出したので下町の人々との付き合い方も大きく変わるのかと思ってたら、おいっ(笑)。もうちょっとマインを追い込んでもいいと思うのだけど、ほんと優しい世界なんだよなぁ。

こうして始まった第三部だけど、印刷業も貴族生活も順調で、敵や問題が感じられない。そのため、いままでと比べて物語の向かう先が今一つわからないなー。あとがきによると、病気治療の名目でファンタジーっぽいクエストを始めそうな感じだけど。

[ 2017.11.20 ]


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本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第三部「領主の養女II」 /香月美夜

本好きシリーズ9冊目。隣町ハッセの孤児を助けたローゼマイン。しかし、それが領主の権力をかさにハッセを窮地に追い込む行為と知り……。

平民から貴族になった変化を、貴族社会での苦労ではなく大きな権力を持ってしまったことの戸惑いとして描くのは、なかなか面白いな。ただ、それにしても、中世ヨーロッパ風世界なので貴族と平民の階級社会があるぐらいに考えてたのだけど、魔力に起因する貴族と平民、上級と下級貴族の力の差は圧倒的で、なるほど、魔力の量が強さと階級に直結する『聖闘士星矢』的な階級制度だったのか。最強の領主に匹敵する魔力を持つローゼマイン。そりゃローゼマインに敵対する勢力なんていないよ。<をい

薬の材料を探すためのクエストも始まったけれど、ファンタジー的なクエストは、正直、私の求めるものと違う感じ。どうせなら、ローゼマインがコスモ魔力を燃やして他の貴族と闘う展開が読みたいです。<ちげー

[ 2017.11.21 ]


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本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第三部「領主の養女III」 /香月美夜

本好きシリーズ10冊目。貴族の子供たちが集まる子供部屋で、ローゼマインの教育改革がはじまる……。中身が大人とはいえ、いちばん小さくて教育を受ける立場なのに、完全に先生の立ち位置なのが笑う。いや、孤児院改革から対ヴィルフリートもそうなんだけど、本を流行らせるために識字率を高めるという個人的な野望があるとはいえ、どう見てもおかしくて笑えるよなぁん。

そういえば、この作品の特筆すべきは、これだけ長いシリーズなのに、場当たり的な設定がなく、基本的な設定もラストまでのおおまかなプロットも、おそらく最初に考えて物語が綴られているように見えるのが凄い。今回の、貴族たちは冬の間は貴族街に集まり、大人は社交、学生は貴族院、子供は子供部屋に分かれて生活するという設定も、かなり早い段階で考えられていたことがわかるし、そもそも、タイトルからも、平民→巫女見習い→領主の養女となることが最初から想定されてたんだよな。いや、紙づくりから始めた序盤は、どうみてもタイトル詐欺かと思っていたのだけど、今や、文官になれば司書になれることが明示されてるし。

ハッセの罰は、……領主一族が領民の生殺与奪の権利を完全に握っている世界というのは、めちゃくちゃ凄いな。そりゃ、逆らったら町丸ごと処分という発想になるのもわかる。こういう世界なら、領主はもっと好き勝手してもよさそうな気がするけど(^^;。

[ 2017.11.22 ]


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本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第三部「領主の養女IV」 /香月美夜

シリーズ11冊目、ゲオルギーネ来訪。ジル様の姉で元領主候補、現在は格上領地の第一夫人。ジル様や神官長と遺恨があり、マインのせいで死ぬことになった前神殿長と親しい間柄であるゲオルギーネの来訪ということで、もっと大きく物語が動くのかと思ってたのだけど、まずは、第三部のラストに向けての布石という感じかしらん? ヴィルフリートがナイスな伏線張ってるし(^^;。

ゲオルギーネ以外はクエストや印刷業も順調で平常運転。そいえば、ローゼマインの側近の中では、いまいち影が薄いと思っていたアンゲリカが、成績上げ隊以降、一気にキャラが立ってきたな。もともと、イラスト付きだと見た目と中身のギャップが大きくて楽しいのに、文章だとその魅力がいまいち発揮できてなかったのだけど、ポンコツなエピソードが増えてきて、かなり愉快なキャラになってきてるなー。

あとは、ダームエルとブリギッテは、障害に挫けない恋愛模様が楽しい。でも、魔力が釣り合わないと恋愛対象にならないという世界観は、いろいろ凄いよな。例えば、あれだけ仲良いマインとルッツは身分を乗り越えても結婚できないんだぜ。しかし、マインって中身は大人のはずなのに、ルッツとのやり取りが物凄くお子様なのはいったい……。

[ 2017.11.23 ]


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本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第三部「領主の養女V」 /香月美夜

二年って、まさかそんな飛ばし方するとは。びっくりした(^^;。

そゆわけで、第三部完結。妹シャルロッテが登場、はじめての妹に大喜びするローゼマインだが……。と、第三部のメインストーリーだった薬を作るためのクエストも終了し、いよいよ物語はクライマックス。いやー、姉を神聖視するシャルロッテが可愛い可愛い。特に、短編のほうでどんどん加速する神聖化が好きだわ。そして、おじい様ってこんなキャラでしたっけ!? 巻末漫画と合わせて愉快すぎるっ!! あとは、ダームエル……。

クライマックスに向けての、派閥に関するあれこれや、ヴィルフリートの扱いに関しては、ちょっと描かれ方が微妙な感じもするのだけど、それにしても、ローゼマインは愛されてるな。特に、神官長は惚れまくりではないか(^^;。……なにはともあれ、次は、第四部、貴族院か。ローゼマインの聖女伝説に期待するしかないっ!!

[ 2017.11.24 ]