2022年 9月 5日
-
KADOKAWA 電撃文庫
◆ 楽園ノイズ(5) /杉井光 -
華園先生のヒロイン力っ!! ……って、最終巻でもないのに、この展開使っちゃうのか。ええっと、こうなると、作品のテイストも微妙ながらも決定的に変わる気がするんだけど、次回から、大丈夫なの!?
今回の『楽園ノイズ』はホワイトデーから伽耶の卒業にかけて。大きな音楽イベントがあるわけではなく、オムニバス的に、朱音、詩月、伽耶、凛子と一人づつにフィーチャーして、真琴が彼女たちをあくまでバンドのメンバとしてしかみてないことを強調してからの、華園先生への想いの深さを見せつけるという、なかなかえげつない展開。でも、そこまでやってるのに、大きな変化を感じさせるものではなく、読後感は良くも悪くもフツーでしかなく、なんかもったいないなー。てか、ほんと次回から、どーすんの?
うーん、ちょっと反応に困る今回の内容だったけど、本筋と関係ないところで、ラストエピソードでの生徒会長の祝辞が凄く良いメッセージだった。そう、高校の三年間ってそういう時間だよな。これは、全ての高校の新入生に届けたい言葉だと思う。
[ 楽園ノイズ ]
2022年 9月 12日
-
TOブックス
◆ ティアムーン帝国物語 ~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~ /餅月望 -
アニメ化決定、ということで読んでみたのだけど、あれ? ロリコン作家で有名な餅月望の作品なのに、小学生が出てこないだと……。一応、主人公の外見は幼いのだけど、中身は20歳だしなー。
そゆわけで、『小学星のプリンセス☆』などの著作を持つ餅月望が「小説家になろう」で連載していたWeb発の作品。革命で断頭台の露と消えた帝国の皇女が子供時代に死に戻るというのは、餅月望の以前の作風というより、なろう系らしい設定だよね。死に戻りの前、三年の極限の牢獄暮らしからの処刑という設定からは、もっと重くてシリアスな雰囲気になってもいいと思うのだけど、内容的には、ポンコツで残念系主人公が、周りの勘違いでとんとん拍子に成功していくコミカルで軽いストーリーだ。
いやー、主人公の残念ぶりと周りの持ち上げぶりのギャップが、とにかく愉快。ギロチンを回避するために考えた頭の悪い作戦が何故かの幸運でうまくいく展開はやっぱすげー楽しい。でも、うまくいきすぎて、すでにギロチンは十分に回避してると思うのだけど、えっ、今月2022年9月の時点で11巻も出てるのか。正直、1巻のノリのまま続けてたら普通に飽きると思うのだけど、この先、何か大きく変化するのかしらん?
[ ティアムーン帝国物語 ]
2022年 9月 26日
-
早川書房
◆ 転生令嬢と数奇な人生を(3) 栄光の代償 /かみはら -
元々ベタな少女小説なんだけど、この3巻になって、いよいよ恋愛要素を強化してきたなー、と思ったら、……いきなり狂気に包まれてるんですけど。相変わらず、すげー展開をぶち込んでくるなー。
ほんと、平凡?な主人公が何故かモテ始めたり、その一方、気になる相手に恋のライバルが登場したり、一気に恋愛要素を強化し出したと思ったら、皇帝の登場で全部吹っ飛んだ(汗;。マジ狂っててヤバい。主人公のカレンも頑張ってはいるけれど、アレを相手にするなら、今からでもチート持たせた方がよくない?
転生らしく知識チートぐらい使っても良さそうだったんだけど、エルとのやりとりで転生前の知識使うのに否定的なんだよなー。私的には知識チートを否定するのはそもそも違和感あるので、何かやってもいいと思うのだけど。知識チート否定するのに、米とか納豆に興味持つのもバランス悪いと思うんですよね。
そもそも、あそこまで狂っていると、アレで国政が回るのか、殺されないのか、疑問に思わざるを得ないレベルだ。あんな狂人に支配されてる世界なんてあまりに不穏すぎて、物語の続きが気になって気になって仕方ないのだけど、ほんと急展開の連続で、まじどうなるんだぁっっっ!!!!
[ 転生令嬢と数奇な人生を ]