好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! - 2022年10月


2022 10 12

早川書房
転生令嬢と数奇な人生を(4) 希望の階 /かみはら

転生令嬢を主人公としたジェットコースター系少女小説も第4巻。敵役の皇帝のぶっ壊れぶりがヤバくて、主人公のカレンはチートなしで大丈夫か!?と思ってたのだけど、いやー、そうきたかー。でも、それはそれで主人公側を強化しすぎじゃね?

そんな感じで、ここにきて転生の秘密みたいなネタも開示されてきたのだけど、当初想像していたよりもいろいろ深い感じでスゲー。いや、この設定、最初から考えてた内容なんだろうか? まだ、あまり開示されてない遺跡の秘密なんかもそうなんだけど、想像以上にきちんと構築されてる風で凄いな。ただでさえ二転三転してる物語なのに、きちんとは計算して組み立てるように見えて、マジ凄いと思う。相変わらず、先の展開はさっぱり読めないけどなー。

書き下ろしの短編「私が御使いになった日」は、ネット小説でよくある転生からの追放ものに関して私が感じてた違和感のいい感じの回答になっていて面白かった。そうだよなー、たとえ能力低くても、異世界の転生者というだけで、十分な価値あるよなー。……まあ、現代日本の知識を十分に吸収していたら、もっと科学的に進んでてしかるべきだと思うので、この短編は短編で違和感あるのだけど、ここら辺も先々解消されていくのかしらん?

[ 転生令嬢と数奇な人生を ]


2022 10 17

主婦と生活社 PASH!ブックス
小国の侯爵令嬢は敵国にて覚醒する(上) /守雨

小説家になろう」で読んでて書籍化も楽しみにしていた作品。Web版は完結済み。文章量は少なめだったので書籍化でボリュームアップするかしらん?とも思ったのだけど、書籍版も綺麗に上下巻で完結させたかー。

物語は、よくある追放系の異世界ファンタジーなんだけど、ファンタジーっぽく覚醒するというより、MBA持ちで都会育ちのお嬢様が田舎に左遷されるみたいな、フツーに現代日本を舞台にしても成立しそうな雰囲気が特徴。ファンタジーだけど魔法もないしなー。なろうだと、追放されて経済的に成功していく展開も多いんだけど、この作品は、知り合いもいない土地で自立し居場所を見つけていくことに主軸を置いてるのがいいんだよね。

とりあえず、上巻は主人公の性格の良さもあって順調に成功したけれど、下巻はいよいよ ざまぁ だ。<をい

[ 小国の侯爵令嬢は敵国にて覚醒する ]


2022 10 24

主婦と生活社 PASH!ブックス
小国の侯爵令嬢は敵国にて覚醒する(下) /守雨

公爵令嬢が追放された敵国で一から成り上がる上下巻の下巻。下巻はいよいよ ざまぁ だぁ。

と言っても、この物語の魅力は、ひとりの令嬢が独力で自立していくところなので、復讐はそこまで重要ではないんだけどね。そもそも、追放した祖国との関係、特に、父親の行動が物語を通して微妙に一貫していなくて、復讐で大事な動機づけが弱いんだよなぁ。悪役の王妃も有能なのか無能なのか、よくわからないし。

でも、復讐譚はやはり痛快で、数年かけた仕込みとはいえ、出来すぎなくらい綺麗に決まって、そこが良い。素晴らしい。

上下巻で綺麗に纏まり、文句の付け所のないハッピーなエンド。……ハッピーエンドなんだけど、悪役が去り、みんながみんな聖人君子すぎるので、逆に、この国々の将来、不安しかねぇ(汗;。

[ 小国の侯爵令嬢は敵国にて覚醒する ]


2022 10 31

KADOKAWA 電撃文庫
ソードアート・オンライン27 ユナイタル・リングVI /川原礫

ユナイタル・リングとアンダーワールドの二つの世界を交互に描く構成、それぞれボリュームが半分になってるせいもあるんだろうけど、進まねー。一年ぶりの新刊でこれかいっ!!

いや、進まないのはいいのだよ。それよりもいまだに物語の展望が見えなくて、何がやりたいのさっぱりわからん。先の展望が見えない物語なんてゴミだよゴミ。アマチュアじゃないんだから、もうちょっとなんとかしてほしい。

んー、この構成で続けるなら、もうちょっと展開を早くするか、刊行ペースを早くするかしてくれないと、正直ツライ。そもそも、《ユナイタル・リング》編は、今までと比べても格段につまらないんだよね。先を期待させるような仕掛けがさっぱりなくて、過去の焼き直し感が強いんよ。

今回の見どころも、猫ぐらいだよねぇ。あの猫ロボットだけはマジ欲しい。『SAO』の年代設定に現実の月日が追いついてきているんだから、ああいう猫型ロボット、どこかの企業で商品化してくれないかしらん。

[ ソードアート・オンライン ]