好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!!

徳間書店 トクマノベルズ
ハイスクール・オーラバスター・リファインド 最果てに訣す the world /若木未生

とうとう完結。30年間追い続けていただけに、しみじみとした感慨しかない。

30年前、当時、小説はほとんど買っていなかったんですが、好きだった漫画家の杜真琴の表紙イラストに惹かれて購入したのを覚えています。私が買ったときには、すでに『炎獄のディアーナ』辺りまで出ていたと思うのだけど、第一巻『天使はうまく踊れない』を読んでめちゃくちゃ気に入り、それからすぐに既刊を揃え、その後は、若木未生の作品はすべて買い、やがて若木未生以外のコバルト文庫も買うようになり、と、とにかく物凄く好きで、自分の読書遍歴にも大きく影響を与えた作品でした。特に、崎谷と神原さんの関係にすごく魅かれたんですよね。

2000年を超えた辺りからは、刊行ペースは遅くなり、たまに出ても物足りない巻もあったりしたけれど、足掛け30年、主要キャラ、すべての物語に決着をつけて、きちんと完結した。とにかく感無量です。

この最終巻については、まあ、今回で完結と聞いた時点でわかってはいたけれど、雷将勝呂との開戦すらまだだったのに、そこから雷将や九那妃を含めたもろもろの決着を、たった1冊に纏めるのは、さすがに無茶すぎる。無前王や彩ちゃんとか、1冊書けるような展開の数々があからさまに省かれているのは残念だけど、それも仕方ないか。とにかく綺麗に完結した。それが、なにより素晴らしい。

[ 2021.11.01 ]