2021年 8月 10日
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TOブックス
◆ 水属性の魔法使い 第一部 中央諸国編 I /久宝忠 -
過労死した主人公が、異世界転生した森の中でスローなライフを少しずつ作り上げていく、そんな話。「小説家になろう」で絶賛連載中ですね。ラノベ人気投票「好きラノ」で2021年上半期の新作二位になった作品です。
いやー、読む前は、表紙イラストと『中央諸国編』というサブタイトルから、なんとなく「参謀ポジ的な主人公の戦記モノかなー」と思ったのだけど、あれ? 普通になろう系のスローライフですよ。まあ、スローライフしているのは、1巻の半分ぐらいまでなんだけど。
その人里離れたスローライフなんですが、異世界での生活基盤を整えていくために、いろいろな発見や工夫をする展開なんだけど、それがすげー面白い。ふつー、人っ子一人いない人里離れた森みたいな設定でも、わりと早い段階でヒロイン投入してくるパターンが多いと思うんですよ。ただ、この作品、結局最後まで、ヒロインっぽいキャラ出てこなかったよね?? 前半は、主人公たった一人だけで、ヒロインもキャラの掛け合いもなしに、ロビンソン・クルーソー的?な試行錯誤だけで魅せていくのは、マジすげーな。素晴らしい。
後半は、新キャラ投入してキャラの掛け合いをしながら進む展開になり、そちらもきちんとおもしろいのだけど、ただ、スローライフがやりたいのならスローライフなパートが短いし、街に到着してからが本番だとしたらそれまでが長すぎる。転生までも、今どきのなろう系小説としては無駄に長くて、全体に整理されてなくて、ちょっと粗が目立つかな。伏線やあとの展開への仕込みっぽいシーンを散りばめるのが好きなタイプの文章にも見えるんだけど、それにしても無駄なシーンや文章が多い気がするなー。
どちらにしろ1巻はプロローグ的な内容にみえるので、本番は次巻以降なのかなー。
[ 水属性の魔法使い ]
2021年 8月 11日
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KADOKAWA カドカワBOOKS
◆ サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと /依空まつり -
ラノベ人気投票「好きラノ」の2021年上半期新作部門4位ということで読んでみました。「小説家なろう」からの書籍化作品。
って、表紙イラストから想像していたのと違って、学園ラブコメじゃねぇかっ!!
いや、今んとこ、ラブはない気がするけれど。もう、すげーおもしろい、めちゃくちゃおもしろいっ!!そんな感じで内容は、めちゃくちゃ人見知りでコミ障な天才魔法少女が、任務のために、無理やり学園に潜入させられる、という話。魔法のあるファンタジー世界が舞台なのだけど、異世界ファンタジーというより、天才だけどポンコツな少女が、ハイソサエティな生徒会と一緒にドタバタを繰り広げる学園コメディだわ。ギャップの激しい主人公のモニカをはじめ、とにかく登場人物たちが楽しい。特に王子をはじめとした生徒会のメンバーとか、みんな、どこかしら性格が破綻してるよ(笑)。
そんな愉快な学園の謎を、ポンコツな主人公のモニカが解決していくという、ちょっと都合がよすぎる気はするのだけど、ミステリ仕掛けの展開もまた楽しい!! ただ、軸となる大きな謎はまだ見えない気がするのだけど、続きはどうするんだろ? 先が気になる~~。
[ サイレント・ウィッチ ]
2021年 8月 14日
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TOブックス
◆ 本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部「女神の化身VI」 /香月美夜 -
王の養女になることで話が大きく動くかと思ったのだけど、話が進まねぇ。考えてみたら、移動まで1年あるからなぁ。
そゆわけで、前回決まったローゼマインの王族入りに対して、側近や領主一族、グーテンベルクたちの反応を丁寧に描くってのが今回の内容。ほんと丁寧に丁寧に描かれてるのだけど、その分、物語はあまり進んでないので、個人的には、そんなに丁寧に描かなくても、もっとがんがん先の展開が読みたいんだがなぁってのが、正直なところ。いや、ヴィルフリートやシャルロッテの将来の話とかは、凄く感じるところがあるんだけどね。ヴィルフリートやシャルロッテもそうなんだけど、ほんと『本好き』の世界の子供たちは出来が良すぎるだろ。
そんな感じでローゼマインの王族入りの準備に動き出す中、ジルヴェスターがアーレンスバッハとのフラグを立ててきたけど、ラストバトルはそろそろ? まだ先かしら?
[ 本好きの下剋上 ]
2021年 8月 30日
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KADOKAWA 富士見ファンタジア文庫
◆ VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた /七斗七 -
VTuberだと、ホロライブの3期生、4期生、ゲーマーズ辺りがすげー好きです。
で、ラノベ人気投票『好きラノ』の2021年上期ブログ部門1位ということで読んでみました。基本的には、VTuberの配信をそのまま文章にしたような内容なのですが、うーん、これならYoutube見ていたほうがおもしろくて、小説ならではの面白さが微妙……。
あとがきによると、2020年6月、ホロライブ5期生発表前に執筆をはじめたってことだけど、5期生に清楚系酒飲みの雪花ラミィがいるので、キャラが被るというかなんというか。ネタ的には、配信切り忘れで台パンする潤羽るしあとか、清楚系をやめて人気が出た御伽原江良とか、ホロライブやにじさんじなど、既存のVTuberのごった煮という感じで、そういうシーンにニヤリできるのがおもしろい一方、オリジナルに勝っているかというと、やっぱ微妙に感じるんだよなぁ。小説ならではなストーリーとかそういうものが欲しかったなぁ。