2021年 9月 11日
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小学館 ガガガ文庫
◆ プロペラオペラ5 /犬村小六 -
昔、ノベルスでたくさん出てた架空戦記が好きだった頃の感覚を思い出しながら読んでたんだけど、アメリカが工業力にものを言わせて超兵器を出して来たら、出てきたとたん鹵獲されて日本のものになるのがパターンで、しかもそれが空を飛ぶなら、もう、アメリカ本土強襲のお約束のフラグみたいなもんだったんだけど、あれ? あれれ?
軍事だけでなく経済でも、戦時国債ではなくわざわざMMTを持ち出したのも伏線で、クロトがなにか手を打っていてアメリカ経済が崩壊して戦争継続が不可能になる、みたいな展開になるかと思ったらそういうこともなくて、いやいや、ちょっと待て、カイルを叩きのめすんじゃなかったんかいっ、クロトがっ、自分でっ。お前が叩きのめしたのは、カイルではなくキリングだっ!!
通信室のやり取りからあの演説を経て、東京決戦の決着までの一連の展開は、もう、これ以上なく素晴らしいのだけど、でも、クロトさん、ちゃんとカイル失脚の道筋をつけてから退場しようよ。振り返ると、クロトとカイルの因縁の決着はあの通信室ですでに終わっていて、あの素晴らしい東京決戦の見せ場の数々は、あくまで決着がついたあとの物語なんだよなぁ。そう思うと、めちゃくちゃ素晴らしいだけに、素晴らしいだけに、やっぱりちょっともったいないなぁ。
[ プロペラオペラ ]
2021年 9月 20日
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KADOKAWA 電撃文庫
◆ 楽園ノイズ(3) /杉井光 -
安定の杉井光で、ほんと杉井光の音楽と青春をベースとした切ない物語は最高だな!!
『楽園ノイズ(3)』も三冊目、今回は、新メンバー加入。新メンバーは主人公の真琴とポジションが被るベーシストで、バンドの危機か? という内容。まあ、例によって、真琴がグダグダしてるだけですが(^^;。
イベントとしてクリスマスがあったりするので、いつもよりラブコメ的な感じが強いのだけど、そのせいで、いつも以上に真琴の華園先生推しが強調されて酷いな(笑)。ただ、蒔田さんの仕込みはうまいのだけど、ライブ前の華園先生のアレコレはちょっと微妙な気がするなぁん。
続刊前提だからだと思うのだけど、ちょっと尻切れというかいろいろと終わっているわけではないのが残念。ちゃんと続きは出てくれるのかなぁ?
[ 楽園ノイズ ]
2021年 9月 22日
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SBクリエイティブ GA文庫
◆ りゅうおうのおしごと!(15) /白鳥士郎 -
前巻からの流れをひいて、今回は、万智と天衣のターンかと思ったら、まさかの たまよん こと鹿路庭珠代回っ!! いや、万智さんは頑張ってはいるけれど。それにしても、たまよん、ルックスよく巨乳で女子大生の女流二段。って、たまよんの通ってる大学、早稲田の政経かよっ!? ちょっと、チートすぎるんじゃね?
その たまよん と あい の交流をメインに描かれるわけだけど、たまよんのプロ意識が想像以上に凄い。これがプロフェッショナルか。そして、一途でけなげすぎる……。まあ、最終的にチートが酷いのは あい で、最近パッとしなかった気がするんだけど、久しぶりに天才ぶりを見せつけた気がする。
一方の主人公の八一については、まあ、死ね。
しかし、最終章に入っているハズなんだけど、物語の着地点がまったく読めないな。どうなるんだろ?
[ りゅうおうのおしごと! ]