アスラクライン


メディアワークス 電撃文庫
アスラクライン /三雲岳斗

くぅ~~~、おもしろいっ、おもしろすぎるっ!! 好み的には、もうちょっとシリアスな方が好きなのだけど、なかなか楽しいラブコメディ。シリーズ 1冊目としては、三雲岳斗らしく、非常に巧いなぁ~~。

そゆわけで、幼なじみとか巫女さんとか危ない美少女とかに囲まれつつ、人類の存亡にかかわる戦いに巻き込まれる、という話。各キャラはきちんと立ってるし、読者を物語に引きこむようにイベント配置は機能してるしで、新シリーズの導入としてはほぼ満点だと思う。まあ、基本はラブコメ路線なのだけど、三雲岳斗のコメディのセンスはあまり信用してないので、続刊以降はそれなりに不安ではあるけれど(^^;。……なにはともあれ、期待できる新シリーズだだだっ!!

[ 2005.07.17 ]


メディアワークス 電撃文庫
アスラクライン(2) 夜とUMAとDカップ /三雲岳斗

コケた、ダメダメだ(T-T)。あああぁ、一巻は良かったんだけどなぁ。

そゆわけで、悪魔や幽霊を交えた美少女いっぱいなラブコメディ。今回は、合宿で怪物退治編。サブタイトルを見てもわかる通りコメディ色をより強めた内容になっているのだけど、やっぱり、三雲岳斗はコメディな話を書いちゃダメだって(T-T)。どうにも、くだらなくつまらないだけで、続刊はパスかなぁ。

[ 2005.10.19 ]


メディアワークス 電撃文庫
アスラクライン(3) やまいはきから /三雲岳斗

2巻が酷かったことを忘れてて、つい買ってしまったのだけど、……この3巻は、めちゃおもしろかったっ!! きちんとツボを押えたラブコメで、さくさくテンポ良く読める点は、非常に Good。朱浬の扱いがなんとも卑怯で、さらに他のヒロインも期待通りの役割を果たしていて、ほんとに良く出来たラブコメでした。

そゆわけで、幽霊や悪魔が出てきて戦いを繰り広げたりするハーレム系ラブコメディ。帰宅したら朱浬が傷だらけで倒れていて……、というのがこの3巻。なんといっても、朱浬の扱いが、あざとくお約束で素晴らしい。加えて、他のヒロインもきちんと役割分担に沿った行動をしてて、ほんとに楽しいのよ。ただ、キャラ出しすぎで杏とか出番少なすぎっ!! とか、操緒の扱いはちと強引すぎない?とか思ったりもするけど、ま、いいか。……それにしても、今後どういう方向性で進めるつもりなんだろ、この作品。

[ 2006.02.24 ]


メディアワークス 電撃文庫
アスラクライン(4) 秘密の転校生のヒミツ /三雲岳斗

びみょ~~。三雲岳斗はやっぱりコミカルな内容ではなく、もっとシリアスな内容の方が好みなんだがなー。いや、つい最近『M.G.H』を読んだこともあって、なおさらそう思ったり。って、シリアスというより、むしろLOVE色が弱かったのが不満という話もあるけど(^^;。

そゆわけで、機巧魔神の秘密を知る留学生が登場。魔神相克者(アスラクライン)というワードも出てきて、これからいよいよ本題かしらん。まあ、コミカルなのは表面的な演出だけで、骨格はわりとしっかりシリアスなので、もちっとストーリーが動き出すと嬉しいんだけどなぁ。

[ 2006.06.17 ]


メディアワークス 電撃文庫
アスラクライン(5) 洛高アンダーワールド /三雲岳斗

つまらなくはなかったけれど、どうにも、びみょ~~。やっぱり、もうちょっとシリアスな方向にしてくれた方が嬉しいのだけどなぁ。……毎度、新ヒロイン投入しての温いラブコメ、という話なのだけど、ラブとしても、コメディとしても、さらに、キャラクター小説としても、やっぱり温いだけ、というのが。見え隠れしている物語の背景は、わりと重いように思えるので、シリアスに振れると一気に面白くなる予感はするのだけど、今のままだとちょっとなぁ。

[ 2006.09.18 ]


メディアワークス 電撃文庫
アスラクライン(6) おしえて生徒会長! /三雲岳斗

今回は、ギャグ中心のおバカな連作短編。……三雲岳斗のギャグ中心の作品は、高確率でいまいちなのだけど、やはり今回もいまいちでした。いや、極端に酷いとかつまらないわけではないんだけど、どうにもなー。

そゆわけで、石仮面の呪いで王様ゲームをやるハメになる「王様遊戯」、嵩月奏の巨乳の謎に迫る「コンプレックスπ」、謎だった第三生徒会会長が初登場する「おしえて生徒会長!」、嵩月奏と嬉し恥ずかし二人三脚な「ウィズ・ユー」の4編。まー、どれもギャグ中心で、いまいち。それでも、強いて言えば、「コンプレックスπ」がそれなりにおもしろかったかな。ただ、こういう、おっぱいおっぱいと言うネタは、ビジュアルがないとおもしろさ半減だと思うけど。……あとがきによると、“次の巻以降は、物語が大きく動いて怒涛の展開”ということなので、それに期待だなー。

[ 2007.01.09 ]


メディアワークス 電撃文庫
アスラクライン(7) 凍えて眠れ /三雲岳斗

いまいち。とりあえず、帯や冒頭で修学旅行を強調してるけど、修学旅行の設定は全く生かせてないよなー。そして今回スポットを浴びる立ち位置のはずの玲子や哀音の扱いもすげー中途半端だしなー。

怪我をした玲子の面倒を見ることになってしまった智春。ツンな玲子はデレ化するのか?という内容。……って、う~ん、なぜ玲子を面倒を見ることになったのか、とか、なぜ修学旅行なのかとか、その他もろもろ、作者の意図はわかるんだけど、ストーリー構成的には明らかに失敗してるよなぁ。そして、構成的に失敗してる代わりに、キャラの魅力を引き出してるかというと、そっちも微妙ぉ~。ストーリーもキャラも、ギャグもシリアスも、いろいろやろうとして、どれも結局、中途半端になってしまってる予感。

正直、切るに切れずにだらだら買ってるような状況なのだけど、確かにシリーズ上の大きな転換点にはなってるので、とりあえず、次回に期待かなぁ。

[ 2007.05.13 ]


メディアワークス 電撃文庫
アスラクライン(8) 真夏の夜のナイトメア /三雲岳斗

超弦理論っ!! 膜宇宙っ!! いきなりそんな用語が出てきたので、まじめにSFをやるのかと思ってすげー期待したのだけど、基本的には単にパラレルワールドの枕詞的に使用してるだけみたいなので、がっくり。重力絡みの設定を中心に、ある程度、超弦理論を下敷きにしてるのはわかるんだけど、肝心な部分は全く理屈になってないんだもんなぁ。いや、これから謎が明らかになるにつれて、きちんと説得力のある理論構築をしてくれると最高なんだけどなぁ。

そゆわけで、智春一行は、バイトで海辺のペンションへ。智春と奏をくっつけようとする策略が大々的に進行する中、操緒はどうする?という内容。相変わらず、低年齢向けのドタバタラブコメといった味付けなのだけど、好み的には、もうちょっと深刻でシリアスな演出にして欲しい。いや、展開だけは、だんだんとシリアスになっては来てるんだけど、なおさら、作風との乖離が大きくなってきていて、にんとも。少しずつ明らかになりつつある世界の謎をはじめとして、楽しみにしてる部分もあるのだけど、正直、ほとんど惰性で買ってるわけで、もうそろそろ終わらないかしらん(^^;。

[ 2007.08.19 ]


メディアワークス 電撃文庫
アスラクライン(9) KLEIN Re-MIX /三雲岳斗

一話っきりのネタかと思ったら、一冊通してそれで行くのかっ!! いやぁ、笑った笑った、大笑い。なかなか楽しい短編集でしたっ。まあ、ストーリーはラスト以外はほとんど進展はなく、どの短編もたわいない内容でしたが、たまにはこういうのもいいかな。あと、オマケとして収録されていた、中学時代の智春を描いた「ずっとキミを見てた」も、笑えるだけでなくホロリとくる良質の短編に仕上がっていて良かったです。

[ 2007.12.17 ]


メディアワークス 電撃文庫
アスラクライン(10) 科學部カイメツ /三雲岳斗

がはっ、そういうことかーーーーーーーっ!!!!!! 次々と明らかにされる謎と、急展開するストーリー。特にラストが、めちゃくちゃ素晴らしすぎますっ!! ああもう、この後、どうなっちゃうんだぁ~~。

真相を知る操緒の姉・環緒と再開した智春。しかし、そんな環緒を巡り、激しいバトルが巻き起こるっ!! という感じで、いっきに明らかになる謎と、物凄い急展開。いやぁ、凄い凄い凄い凄い凄い。いやもう、そうか、そうくるかっ、まさか、そういう展開ですかぁ~。うわぁ~、ホントに続きはどうなるんだっ!? うひゃ~~~~~~~~。もう、すげー続きが楽しみですぅ~。

[ 2008.06.12 ]


メディアワークス 電撃文庫
アスラクライン(11) めぐりあい異世界 /三雲岳斗

異世界に飛ばされた智春。操緒がいない状況。そして、嵩月ヒロイン化っ!! ……って、嵩月よりも、むしろアニアがせつなく素晴らしい。や、アニアの描かれなかった過去は、ぜひ短編で描いて欲しいな。……ストーリー的には、前後編予定の前編ということで、次巻しだいかしらん。前巻までは、クライマックス的な進行だっただけに、続く後編に期待していますっ!!

[ 2008.10.18 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
アスラクライン(12) 世界崩壊カウントダウン /三雲岳斗

うあああああああぁぁぁぁぁぁぁっ、最高傑作級ぅっっっ!! 世界の謎に迫る怒涛の展開で、いやもう、SFっ!! SFっ!! そして、待ち受ける結末が、あああうううぅぅぅ~~~。……すげーー、めちゃくちゃすげーーーーっ!!

一巡目の世界に飛ばされた智春たちは、無事に元の世界に戻れるか……。という感じで、世界の謎に迫っていく怒涛の展開が、とにかく圧巻。いやぁ、素晴らしい素晴らしい。そして、謎が明かされていくに従い智春にガンガンと迫る決断と、そして、うわぁ~、一気にそこまで話を進めるかぁ~~。あうあうあうあう、物語の根幹に迫る内容で、なにを書いてもネタバレになってしまいそうだけど、ほんと、とにかくすげーーーっ!! ……いやもう、いきなり重くて、いよいよ最終巻前のクライマックスといった展開なのだけど、これからどうなるんだぁっっっ!!

[ 2009.04.14 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
アスラクライン(13) さくらさくら /三雲岳斗

本編完結。さすがクライマックスっ!! おもしろい……のだけど、ええっと、なんだか思ったよりもあっけなく終わってしまい、正直、物足りなかったり。一応、短編とか後日談とかで続くらしいけれど……。

魔神相克者となり元の世界に戻ってきた智春。炫塔貴也との対決、そして、世界の行く末は……。という感じで、クライマックスで盛り上がる中、最後まで軽くコミカルに演出された内容なんだけど、やっぱ、当初抱いていた通り、三雲岳斗のコミカルな描写はいまいちなんだよなぁ。どうにも上滑りしてて笑えない。そして、あまりにあっけないラストは、正直、かなりの肩透かし。うーん、けっしてつまらないわけではないのだけど、ここしばらくの展開が素晴らしかっただけに、残念無念。結局、SFもラブコメもバトルも含めた、コミカルで哀しく残酷な話を描こうとして、全部、中途半端になってしまったような……。

[ 2009.11.10 ]


アスキー・メディアワークス 電撃文庫
アスラクライン(14) The Lost Files /三雲岳斗

実質的には前巻で終了してた『アスラクライン』ですが、本巻は、短編を織り交ぜながらの後日談。前巻の終盤はシリーズラストにしては非常に物足りないものだったけれど、なるほど、この後日談のラストは、余韻を感じさせる綺麗なものになってます。今度こそ、これで終わりかー。

まあ、短編の方はコミカル中心のものが多く、可もなく不可もなしといったところ。その中で「子猫をめぐる冒険」はツンデレ玲子らしいエピソードで、なかなかGood。そして、後日談は、設定はあった気はするけれど、いきなり出てきた智春の妹・和葉を語り手とし、智春、操緒を想う周りの登場人物を上手く感じさせて、非常に優しく綺麗。というか、ラストが描き方がにくいよなぁ。これはシリーズのラストを〆るに相応しく、満足満足。

それにしても、この14巻は、リバーシブルカバーで旧デザインのカバーがついてくるのだけど、13巻でのデザイン変更は、そんなに不評だったのだろうか(^^;。……しかしそうすると、確実に浮いてしまう13巻のデザインの立場は(笑)。

[ 2010.03.07 ]