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小学館 ガガガ文庫
とある飛空士への夜想曲 下 /犬村小六 -
最高傑作級。帝軍の撃墜王・千々石の哀しいまでにせつない漢の生き様に、読む手が震えました。開戦当初こそ、戦闘機・真電の性能と飛空士の練度で優位に立っていた帝軍も、国力の差により、じょじょに劣勢になり、雌雄を決するエスト・ミランダ沖海戦での大敗北。伊予島の全滅を経て、やがて、残存艦隊を結集した淡島決戦へ……。と、ミッドウェー海戦から、硫黄島、沖縄へ至る太平洋戦争の日本軍をなぞるような絶望的な未来へ向かって、幼なじみのユキを想いつつも感情を磨耗させながらも進んで行く千々石が、ただただせつないなぁ。そして、海猫との空戦も圧巻。……読んでる間は、とにかくご都合主義でもハッピーエンドを願ってやまなかったけれど、だからこそ、このラストを描ける犬村小六はホント凄いな。ただただ感動っ!!
[ 2011.10.14 ]