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小学館 ガガガ文庫
プロペラオペラ3 /犬村小六 -
うーん、ここら辺でクロト無双がはじまるのかと思ったら、中途半端な苦戦と無駄な犠牲で、ちょっとがっかり。この展開いる? 太平洋戦争を下敷きにした仮想戦記で、何度も物量勝るアメリカ合衆国vs寡兵の大日本帝国連合艦隊を描かれてもワンパターンで飽きてくる。だいたい、仮想戦記の読者は、みんな戦艦大和の大活躍が読みたいんですよ!!<をい
「適正なインフレ率を維持できればいくらでも国債が発行できる」というMMT理論を持ち込んできたのも疑問で、いやー、太平洋戦争当時は史実として、MMT理論を持ち出すまでもなく国債刷りまくってたし、FRBも国債の買い取りとかやってたわけよ。そもそも、当時は国債を発行すればきちんとインフレしてた時代なので、MMT理論はむしろ国債発行の足かせでしかない。……カイル側の自滅のためのフラグなのかもしれないけど、戦時中に国債をガンガン刷ってインフレするのは常識だと思うので、そんな手法を魔法のように話すカイルはアホにしか見えない。あまりにアホすぎて大統領選まで持つとは思えないんだけど、そんな自滅待ったなしの状況で、苦戦するクロトと連合艦隊を描かれてもなー。ここは、クロトは太平洋で無双して、本国ではカイルが自滅するのがセオリーじゃないの? マジがっかりだ。
[ 2021.01.02 ]