2024年 2月 5日
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オーバーラップ オーバーラップ文庫
◆ ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで(11.5) /篠崎芳 -
まさかのアニメ化が決まった『ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで』ですが、小説最新巻の本巻は番外編。正ヒロインで表紙もメインで張っているにも関わらず、いまいち影が薄いセラスの過去編。
いや、セラスってぶっ壊れた凄い美貌が一番の特徴なのだけど、流石に文章でもイラストでもなかなか表現しづらいよね。一方、性格はまともすぎているので、壊れて歪んだ性格ばかりの他のキャラに比べてると、どうしても影に隠れてしまうんだよなー。だからこその今回の過去編だと思うのだけど、やっぱりこの番外編も、ネーアの姫様とそのお父様の強烈さの前に霞んでる印象。いやー、お父様の描き方がエグいわー。
セラスの過去については、まあ、今までも語られていた部分もあって正直見所はそこまでなかったのだけど、昔は、女神ってあんまり表舞台には出てなかったのんね。あと、水着回は笑った。そして、幸せなエピソードなのだけど、あぁ、勇者は女神を倒したら元の世界に前提なのか……。
2024年 2月 12日
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KADOKAWA カドカワBOOKS
◆ サイレント・ウィッチVII 沈黙の魔女の隠しごと /依空まつり -
この作品、最高に素晴らしい。特に今回は、七賢人の派手なバトルから後半はいよいよ物語の根幹に迫っていく内容で、もうホント、めちゃくちゃおもしろかったぁぁぁぁっっっ!!
そゆわけで、まずは前巻から引き続き、<宝石の魔術師>エマニュエルとの戦い。終わってみるとルイスやモニカたちの完勝に見えるのだけど、七賢人の一人でも欠けていたらおそらく負けていたような紙一重の勝利でしかなく、七賢人が大業を次々と繰り出す展開が熱かったっっっ!! 古代の魔導具<偽王の笛ガラニス>の力を悪用しているとはいえ、間違いなくエマニュエルは他の七賢人を圧倒していたよねぇ。
まあ、才能や能力があっても、結局、最後はルイスが完勝する未来しか見えなかったわけだけど(^^;。いや、この巻の前に、番外編でルイスの過去を描いたのがいい感じに効いているよね。エマニュエルは自身の才能のなさに悩んでたわけだけど、全く違う価値観のルイスがすごく生きてた。
後半は、いよいよ物語の根幹に迫っていくわけだけど、うわぁ、ブリジットってそうだったのか!! これはもうブリジットの株が上がりまくりですよ。せつないせつない。……そして、もうほとんど第二王子・フェリクスの正体は明らかなんだけど、結末まではまだ二転三転ありそうで、マジに続きが楽しみすぎるっ!!!
[ サイレント・ウィッチ ]
2024年 2月 19日
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KADOKAWA 電撃文庫
◆ 9S〈ナインエス〉XII true side /葉山透 -
あの『9S』が まさかの12年ぶりの続刊っっっ!! 00年代らしいSF+異能バトルで当時はもちろん超人気で私も大好きな作品なのだけど、新章「true side」二冊目で続きが出なくなり、作者の葉山透も別シリーズを書きはじめたので、これはもうダメだと思ったのだけど、まさか12年も経って今更出るかー。書き続けていた葉山透も凄いけど、ちゃんと出版する電撃文庫もすげー。
で、12年ぶりの新刊だけど、前巻までのあらすじはないのかー。既刊は押入れの奥底に埋もれているのでなかなかキビシイ。
確か、シベリアで密かに開発されていた珪素生物グラキエスによる突然の世界の危機。ロシアに来ていた闘真は残された住民との退却戦の末に重症を負い物語からは一時退場、一方、ヒロインの由宇はシベリアの地に降り立ちいよいよグラキエスへの反抗を開始。そして、そんな世界の危機の裏で、グラキエスの発生には峰島勇次郎の影があり、峰島勇次郎の秘密と禍神の血の謎へもいよいよ決着がつくのか?という感じだったかしらん。
世界滅亡まで残り四日という危機的状況とはいえ、本気になった由宇の天才は凄まじくやっぱ爽快だよなぁ。闘真の出番が少なく由宇とのラブコメ展開が少ない中、八代とマモンがいい味出していて非常に楽しい。そして、おいっ、家族会議が愉快すぎるんですけど(笑)。いやー、12年ぶりだけど、やっぱり遜色なく、すげーおもしろいんですけどっ!!
同時発売の「XIII」でいよいよ完結らしいのだけど、最後は峰島勇次郎との対決なのかなぁ。ていうか、峰島勇次郎は由宇に劣ることがずっと言われてきたのでラスボスは真目不坐かと思っていたのだけど、不坐とはわりとあっけなく決着がついてしまった感じで、あれ?どういうこと??
[ 9S<ナインエス> ]
2024年 2月 26日
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KADOKAWA 電撃文庫
◆ 9S〈ナインエス〉XIII true side /葉山透 -
大団円。ちゃんと綺麗に終わった……。
12年ぶりに続きが出た『9S』もいよいよ最終巻。シベリアで再会した闘真と由宇はグラキエスによる世界滅亡までのタイムリミットが迫る中、長年行方不明だった峰島勇次郎といよいよ対峙する。と物語もいよいよ大詰め。いやー、峰島勇次郎との最終バトルが山場になるかと思ったら対決色はそこまで強くなく、父娘の対面、そして、禍神の血との決着という感じで、本当に物語の幕引きのための一冊だったんだな。感無量。
いやー、峰島勇次郎の行動にエモーショナルな動機づけをすることもなく、最期までマッドサイエンティストしていたのが良かった。世界から見たら凄く迷惑だよな。そして、マモンとルシフェルがやっぱ凄くいいわ。あと、闘真と由宇は、最終巻はじまって早々決着してしまって、流石にちょっと早いだろ(^^;。
[ 9S<ナインエス> ]