好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!!

小学館 ガガガ文庫
やがて恋するヴィヴィ・レイン 1 /犬村小六

――愛したひとと殺し合う定めだから。

やがて「災厄の魔王」と呼ばれることになる貧民街出身のルカと「悲劇の王女」と呼ばれることになる王女ファニア。この二人を中心に、脇を固めるミズキやアステルも、あからさまに泣かす気満々の設定で、うわぁ~、犬村小六らしい悲哀しか感じさせない展開すぎる。まあ、この1巻は、1冊かけてプロローグという感じで、後で泣かすための仕込みをガンガンしていくような趣き。ものすごく続きが楽しみな新シリーズ。

物語の冒頭は『ラピュタ』を思わせる典型的な落ちもの系の導入で地雷臭すら感じるのだけど、本番はルカが成長しファニアが登場してから。互いに魅かれながら、悲劇へ続くであろうフラグの数々は、これぞ『とある飛空士』シリーズの犬村小六という魅せ方で、マジに期待するしかない。まずは、王女様とルカのフラグを立てていくのだけど、これ、どう見てもハーレム的に凄い恋愛模様に発展させるつもりだよね。ヴィヴィ・レインの正体含めて、えげつない設定をぶっこみすぎだ。これは大期待するしかないっ!!

[ 2016.10.05 ]