好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! - 2016年10月


2016 10 2

KADOKAWA MF文庫J
今日から俺はロリのヒモ! /暁雪

想像以上に、クズでダメな主人公です……。

漫画家志望の高校生が、pixivで描いてる彼の漫画の大ファンで一日に何億も稼ぐJSのヒモになるという話。ほんと、この主人公のハルがダメ人間すぎて酷い。女子小学生がおっぱいパンツ漫画の大ファンだという辺りでおかしいのだけど、それをいったら、一日に何億も稼ぐ女子小学生という辺りでおかしいか(笑)。そういう都合よくヒモなポジションに収まったクズい主人公が、可愛いロリといちゃいちゃしたり、ロリの金で好き放題すると。主人公がロリではなく巨乳好きで、パトロンのロリ・藤花とは一線を引いてるのもお約束すぎる。基本じゅーよー。

いい意味で頭悪く中身のない内容でだからこそ面白い。ロリの藤花側にも、いろいろ背景がありそうなので、オチはもうちょっとハートフルに落としてくるのかと思ったのだけど、そこら辺は次巻以降か。って、シリーズにするには、ちょっと中身がなさすぎる気もするのだけど、続くのか、これ!?

[ 今日から俺はロリのヒモ! ]


2016 10 3

KADOKAWA ファミ通文庫
覇剣の皇姫アルティーナXI /むらさきゆきや

ストーリーは面白いのだけど、やっぱ、即位に関する設定とラトレイユの行動が納得できないんだよなー。そこがどうにも気になって仕方ない。

いや、ラトレイユが即位してもすぐに死にそうなので、ラトレイユが即位するとアルティーナが皇位継承権を失う設定にしないと、物語の都合上、盛り上がらないのはわかるのだけど、でも、それって、ラトレイユが即位したら皇帝になれる人が誰もいなくなって、そのまま帝国が危機的状況に陥るってことなんだよね。しかも、ラトレイユは政治信条が違うだけで優秀という設定なので、なんでここで皇帝位を取りに行くんだ? 仮に、皇帝位を取りに行くことを許容したとしても、死んだあとに国の危機的な状況を救えそうな人材を、今の状況でなんで殺そうとするんだ? って話ですよ。正直、ありえない。ラトレイユを死にそうにしちゃったのは、失敗だったんじゃないかなー。

それはともかく、今回は、生命を狙われたレジスが、なんやかんやで楽しそうにしてる一方、レジス戦死の連絡を受けたアルティーナが挙兵する展開。生命を狙われているのにレジスのアレのせいで、いつも以上に愉快な状況になっていて、レジス一行はのんきすぎるだろ(笑)。レジス周りの展開はいつも通りで楽しいのだけど、どうせなら、もうちょっとアルティーナ周りを描いてほしかったところ。まあ、そこら辺は次回に期待なのかしらん。

[ 覇剣の皇姫アルティーナ ]


2016 10 5

小学館 ガガガ文庫
やがて恋するヴィヴィ・レイン 1 /犬村小六

――愛したひとと殺し合う定めだから。

やがて「災厄の魔王」と呼ばれることになる貧民街出身のルカと「悲劇の王女」と呼ばれることになる王女ファニア。この二人を中心に、脇を固めるミズキやアステルも、あからさまに泣かす気満々の設定で、うわぁ~、犬村小六らしい悲哀しか感じさせない展開すぎる。まあ、この1巻は、1冊かけてプロローグという感じで、後で泣かすための仕込みをガンガンしていくような趣き。ものすごく続きが楽しみな新シリーズ。

物語の冒頭は『ラピュタ』を思わせる典型的な落ちもの系の導入で地雷臭すら感じるのだけど、本番はルカが成長しファニアが登場してから。互いに魅かれながら、悲劇へ続くであろうフラグの数々は、これぞ『とある飛空士』シリーズの犬村小六という魅せ方で、マジに期待するしかない。まずは、王女様とルカのフラグを立てていくのだけど、これ、どう見てもハーレム的に凄い恋愛模様に発展させるつもりだよね。ヴィヴィ・レインの正体含めて、えげつない設定をぶっこみすぎだ。これは大期待するしかないっ!!

[ やがて恋するヴィヴィ・レイン ]


2016 10 8

KADOKAWA 富士見ファンタジア文庫
織田信奈の野望 全国版16 /春日みかげ

マジで二周目までやったら、ラノベ史上の最高傑作になること間違いないと思うのだけど、さすがにそういう展開にはならないかしらん? いよいよ天下分け目の関ケ原。島津家久の策で織田側の展望が見えたのも一瞬、本来の歴史に揺り戻すように、運命は信奈と十兵衛を絶望的な状況に追い込み……。

織田家滅亡の運命に抗う良晴に対抗し、ここにきて、同じく本来の歴史を知る存在の登場。希望を見せて突き落とす展開とか、素晴らしすぎる。織田、武田健在にもかかわらず、どう関ケ原の戦いにつなげるのかと思っていたのだけど、予想を超えて舞台を整えてきたな。毛利が東軍にいるものの史実と相似形って、この強引な説得力の持たせ方が素晴らしいところで、負けた三成の立場に信奈がいる上に、史実では西軍の主力だった毛利、上杉が敵側の東軍にいるという戦力格差。そして、うわぁぁぁぁぁ、ここで松尾山、小早川秀秋の裏切りかっ!! この舞台の作りこみが素晴らしくて素晴らしくてたまらないのだけど、そもそも、関ケ原のたどり着く前に、バッドエンド待ったなしです。本当にありがとうございました。

ガスパールが本当に良晴の二周目なのかは、まだわからないけれど、やり直さないと、やり直してもハッピーエンドが困難に見える状況が凄いな。いやー、実は生きていた、みたいな下手な展開にはせずに、この絶望感のまま、ほんと二周目に突入しないかなー。

[ 織田信奈の野望 ]


2016 10 14

宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
魔法少女育成計画 JOKERS /遠藤浅蜊

もやもやしたまま終わってしまったのだけど、これも作者の計算か。むしろ、今後への布石的な巻だよね。

魔法の国に所属しない、人造魔法少女登場。その人造魔法少女の秘密を探るために、謎のメールで集められた魔法少女たちは……。と、はじめから、いかにも死にそうな人造魔法少女たちとプリズムチェリーが泣ける(T-T)。や、相変わらず、大した見せ場も与えられずに、雑に殺されていくのが凄い。それでこその『魔法少女育成計画』っっっ!! 久々のスノーホワイトのメイン回だけど、ただ、大活躍という感じでもなく、いまいち物足りないかなぁ。ぼかした結末で、プフレやフレデリカがなにを暗躍しているのかもわからず、いまいちすっきりしない。続きを読めば、もやもやは解消されるのかしらん。

[ 魔法少女育成計画 ]


2016 10 16

SBクリエイティブ GA文庫
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか11 /大森藤ノ

王道万歳っ!! 素晴らしい~~~っっっ!!

モンスターに味方したため地に落ちた信用の中、地上に取り残された「異端児」を帰還させるため、ベルたちはロキ・ファミリアと真正面から戦うことに……。正直、作者の引いたレールをそのままなぞるようなベタなストーリー進行なのだけど、だからこその王道的な盛り上がりっ!! 素晴らしいっ!!

都市最強のロキ・ファミリアとの戦い、さらに、フィンやロキが手心を加えるようなことがないような描写までいれていたので、もっとベルたちを追い込み、もっと犠牲も出るような熾烈な展開になるのかとも思っていたのだけど、さすがにそこまでは踏み込まなかったか。ロキ・ファミリアの面々はあまり本領を発揮してる感じはなく、そこは残念。

でも、ベルのレベルが2つぐらい上がってもいいような、ハードな戦いの連続は凄かった。特にラストのバトルの素晴らしさっ!! やっぱ、猛牛かっ!! や、フレイヤ様もいい働きするわ。<をい

バトル終了からのエピローグがまた、綺麗すぎるだろっ!! 各段に成長したベルくんに、今後が期待すぎるのだけど、えっと、結局、レベルは上がってないの?(^^;。

[ ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ]


2016 10 19

SBクリエイティブ GA文庫
のうりん13 /白鳥士郎

ココイチネタとか攻めすぎだろ(笑)。や、いつも通り、登場人物がバカやってる大笑いな『のうりん』。林檎がいないにもかかわらず、まったくいつも通りで、にもかかわらず、きちんと林檎の穴がぽっかり空いてる風なところは表現していて、うまいなぁ。

学校を去った林檎は、芸能界に電撃復帰。一方、残された耕作たちは、いつも通りの日常を……。と、今回のメインイベントは、バレンタインでおっぱい回。でも、バレンタインは、正直肩透かしかなぁ。ちょっと盛り上げが足りない。むしろ、スマホゲームネタとか、こども電話相談室とか、ココイチネタとかのほうが大笑い。いや、ココイチはさすがにマズいだろっっっ。あとは、いらすとや。

で、ラスト、盛り上げつつの次回最終巻だけど、発売日の予定がたってないんかいっ!!

[ のうりん ]


2016 10 24

早川書房 ハヤカワ文庫JA
天冥の標IX ヒトであるヒトとないヒトと PART 2 /小川一水

いよいよ残りは10巻のみとなり、物語も大詰め。でも、ここにきてミヒルの存在感が薄いんですけど(^^;。

セレス探検から一気に星間戦争までスケールを広げた前回の衝撃が抜け切れていない今回だけど、いきなり、その星間戦争に突入するわけはなく、まずは《救世群》との決着か。ですよねー。……前回があまりに凄まじかったので、セレス内でちまちましてる展開は、正直、ちょっと物足りないかな。それに、そのちまちました展開も、なんだか、かなり都合よくことが進むのも気になる。メニー・メニー・シープ側も《救世群》も、まだまだ、問題山積してるのに、ちょっと端折りすぎじゃないかなー。

なにはともあれ、次で最終の10巻。いや、10巻が何冊続くかわからないけれど、さて、どう決着つけるのかしらん。

[ 天冥の標 ]


2016 10 30

宝島社 このライトノベルがすごい!文庫
魔法少女育成計画 ACES /遠藤浅蜊

おおう、いつの間にか、「魔法の国」を巡る大きな話になってる。今までみたいに精神異常な魔法少女が殺戮を繰り返すだけの話じゃなくなってて、その分、魔法少女が虫けらのように死ぬ展開が少なくなってるな。少なくなっただけで、死ぬんだけどね。<をい

今までは、各巻毎の繋がりは弱かったのだけど、今回は、前回『JOKERS』をプロローグとした大きな物語の序章みたいな話になってるのんね。あくまで序章みたいな感じなので、ぜんぜん全体像が見えね~。「魔法の国」の礎たる三賢人。その三人の賢人に人事部門長のププレを加えて、「魔法の国」を巡る大きな話になっていくんだろうけど、てか、前回死んだグリムハートが「魔法の国」のトップ3の一人だったんかいっ。ププレも、三賢人の一人プク・プックも、どういう企みで動いているのか、さっぱりわからず、どうなるんだ、これ? 一方で、主人公たるスノーホワイトとリップルも、うわわわぁぁぁ。人造魔法少女の生き残り、プリンセス・デリュージの行く末も含め、とにかく続きが気になるわぁ。

[ 魔法少女育成計画 ]


2016 10 31

来月の新刊チェック。ライトノベル発売日一覧 から。
  • 11/10 [文庫] ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXI /宇野朴人
  • 11/10 [文庫] 新約 とある魔術の禁書目録(17) /鎌池和馬
  • 11/19 [文庫] ゲーマーズ!(6) ぼっちゲーマーと告白チェインコンボ /葵せきな
  • 11/25 [文庫] エイルン・ラストコード ~架空世界より戦場へ~(5) /東龍乃助