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アスキー・メディアワークス 電撃文庫
東池袋ストレイキャッツ /杉井光 -
最高傑作級。いつもの杉井光節なのだけど、とにかく綺麗で純粋な物語。池袋を舞台にリアルを感じさせつつ、音楽をキーにした甘くせつないストーリーがいいねぇ。
内容は、ひきこもりの少年・ハルが、ギターリストの幽霊・キースに導かれ、池袋の道端で歌うようになり、人々と交流していく、という話。杉井光らしい、いつものなよなよした主人公と、ツンデレ気味のヒロイン、頼れる兄貴的な存在と、愉快な大人たち、それと音楽。池袋という舞台がまた、情景が眼に浮かぶようなリアリティを演出していて素晴らしい。池袋の雑多な雰囲気の中で紡がれる澄んだ綺麗なストーリーがいいのよな。
もともと電撃文庫MAGAZINE連載で各話の掲載順が異なっていたとのことだけど、うわっ、雑誌では第三話「空飛ぶ最終列車」スタートということは、キースがいないところからはじまっていたのか。その第三話は、『神様のメモ帳』みたいな探偵モノ的な色が強い、他の話とは多少違和感ある話だし、連載スタート時には、いろいろ手探りだったのかしらん(^^;。逆に、第三話のノリなら、いくらでも続編が書けそうだけど、続きはムリかなー。
[ 2014.06.29 ]