好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! - 2019年9月


2019 9 2

KADOKAWA 富士見ファンタジア文庫
織田信奈の野望 全国版22 /春日みかげ

大団円。きちんと伏線を回収した、綺麗でオーソドックスな最終巻。予想していたよりもかなり良かったです。いや、富士見ファンタジア文庫に移籍してからはゴミみたいな内容が多かったので、正直、ラストも期待してなかったのよ。<をい

まあ、史実と全く違う歴史になってるのに、ここにきて「歴史の修復力」を強調するのはギャグとしか思えないし、「等価交換の法則」も取って付けた感が強いし、後半のキーマンだったガスパールは結局いなくてもよかったんじゃね?と思わざるを得ないし、なんやかんやで不満は多いか。あと、義陽も、うーん……。

『織田信奈の野望』は、結局、GA文庫の頃は、アニメ化するほどの大傑作であるのは間違いないのだけど、富士見ファンタジア文庫に移籍してからは、商業レベルに達してないどころか、小学生の作文と同レベルのゴミでしかないのよ。出版社移籍でいったい何が起きたの!? とにかく、書きたいシーンをなにも考えずに書くだけ書いて、それを推敲もせず手直しもせずにそのまま出版するの、止めろ。シーンの要不要をまったく意識せずに書いてるので、無駄なシーンが多い一方、必要な描写が全然足りない。富士見ファンタジア文庫に移籍してからは、もう、ずっとそう。いや、あの傑作をここまで酷い状態のまま出版し続けるとか、どんだけ富士見ファンタジア文庫の編集部は無能なんだよ。こんなん出版するなら、富士見ファンタジア文庫は潰れていいよ、マジで。

[ 織田信奈の野望 ]


2019 9 14

TOブックス
本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部「貴族院の自称図書委員VIII」 /香月美夜

フェルディナンドをめぐる切ない展開。よかれと思ったこととはいえ、ダンケルフェルガー……。

いよいよ次回は第四部クライマックス、そして、その後は最終章ということで、物語はここで大きな岐路を迎えた感じ。アーレンスバッハの思惑は!? まあ、先が気になって気になって仕方がないのだけど、ここからラストまでは、まだ、一章残ってるんだよな。まずは、次巻の発売日は12月か。

ローゼマインの義弟メルヒオールのお披露目もあったけれど、今回は、とにかくフェルディナンドの印象が強すぎる。……その中で、あの魚の料理方法は、どう考えてもおかしいだろ(笑)。

[ 本好きの下剋上 ]


2019 9 15

KADOKAWA 電撃文庫
魔法科高校の劣等生(30) 奪還編 /佐島勤

米軍相手に無双するお兄様!! これだ、これが読みたかったっっっ!!

いやぁ~、ここ最近の光宣との追走劇はフラストレーションが溜まる展開が多かったのだけど、今回はお兄様が無双しまくりで、もうスッキリ。めちゃくちゃおもしろかった!! 対米軍だけでなく、佐伯少将とのやり取りもいいね!! 日本軍相手に無双する展開はまだですか?<をい

物語的には、魔法師の自治実現か管理強化か、ということを中心に進んでいくみたいだけど、個人で米軍を無双できる達也や光宣みたいな存在がいたら、そりゃ魔法師は脅威でしかない。今回の事件をみたら、常識的に考えて、魔法師の自治なんてありえないよなぁ。……まあ、世界を滅ぼすことができる達也をどうにかできるわけがなく、本来は、管理強化もクソもないんだけど(笑)。

[ 魔法科高校の劣等生 ]


2019 9 24

バンブーコミックス タタン
星屑セレナーデ 星の瞳のシルエット another story (1) /柊あおい

COMICタタン」で連載中の『星屑セレナーデ』が、単行本に纏まって発売っ!! いやー、Web連載でもきちんと紙の単行本が出るんですね。Webで第一話を読んだ時の感想は こちら です。

Web連載で読んでるので、柊あおい先生のフリートークなり+αがあるのを期待してたのだけど、残念ながらフリートークやあとがき等はなし。特典は、「りぼん」時代の復刻シールかな。『星の瞳』のファンって年齢的にすでに40代になってると思うのだけど、特典が子供向けのシールって……。いや、懐かしいんですけどね(^^;。

この第一巻は、Web連載の第6話(2019年5月掲載)分まで。まあ、この巻に収録されてる分については、主人公の柚希が久住教授に一目惚れし、その後、結婚してることを知ってショックを受けるという予定調和の話でしかなくって、Web版で読んでると、おもしろくなってくるのは、ここからなんだよな。ぶっちゃけ、柚希の恋ごころはどうでもよくて、興味があるのは、コージの正体と旧キャラで誰が出てくるか?ってところだろ(笑)。そもそも、主人公の柚希に関しては、大学生活はあんまり仙台の大学生らしさのようなリアリティが感じられないし、久住教授への想いの描き方もちょっと弱くて、いまいち魅力がないんだよなぁ。

[ 『星屑セレナーデ(1)』感想 ]


2019 9 30

小学館 ガガガ文庫
プロペラオペラ /犬村小六

犬村小六が送る新シリーズ。『とある飛空士シリーズ』を彷彿とさせる空戦モノですよ!! 第一王女イザヤと国賊として皇籍を剥奪されたクロトが、大国ガメリア合衆国に立ち向かうファンタジー戦記。国のために生命を賭けて、絶望的な戦いに身を投じる展開。この一巻から、熱く感動的な展開で、素晴らしい、素晴らしい!!

物語の下敷きになっているのは太平洋戦争で、開戦初期のアメリカと日本を固有名詞を変えつつなぞったような設定なのだけど、ところどころ、現実の固有名詞そのままなのは、どういう演出だ!? ミッドウェイ海戦よろしく、日之雄艦隊の危機的状況からの決死の艦隊戦が熱い!! いや、熱いだけではなく、コメディ多めのラブコメ展開もいいんだよなぁ。自信家で大言壮語なツンデレ気質の主人公って、駆逐艦「井吹」の他の乗組員を含め、とにかくコミカルな雰囲気なのだけど、それが、悲惨な戦争に突き進む物語にいい感じでアクセントになっていて、いい味出してる。おもしろい。

しかし、敵役のカイルは、金を持ってるだけの小物にしか見えなくて、クロノの敵としては、ちょっと物足りないよなぁ。そもそも、軍事で勝っても経済で勝たないと意味がないように思えるのだけど、そこら辺、どうしていくつもりなんだろ?

[ プロペラオペラ ]