ラノベが年間2,400冊出てる話とどこまでをラノベに含めるか
ライトノベル投票企画「好きラノ 2016下」をはじめました。ご投票お願いいたしますm(__)m。
で、毎回、投票の目安として、この半年間に出たライトノベルのリストを作成しているのですが、今回は、1,250冊ほどになりました(このリストにない小説についても投票は可能です)。ラノベの杜のDB検索 のリストを見ても 月に180~200冊ほど登録されているようなので、半年間に発売されているライトノベルは、おおよそ1,200冊程度といっていいのではないでしょうか。一年間だと2,400冊ほど。これ、全部把握してる人いるんですかね(^^;。
私が、ライトノベルとしてリストに載せるスタンスは、以下の通りとしています。
- ライトノベルとして投票されそうな小説(=ライトノベルとして認知されそうな小説)はできるだけ載せる
- ただし、アニメ、漫画、ゲームのノベライズ、単行本の文庫化のようなものは、ある程度省く
毎回、どこまでをライトノベルとしてリストに載せるかは悩みどころなのですが、せっかくなので、どの辺りまでをライトノベルとみなすべきか、リストを作る際に考慮してるところを纏めてみます。
ライトノベルの定義
「ライトノベル」とは、一般に言われているほど曖昧ではなく、“ゲームや漫画を楽しむような若者向けのエンターテイメント小説”と基本的にイコールです。近年では、30代以上をターゲットにしているライトノベルレーベルも増えていますが、2017年現在、ライトノベルレーベルの主なターゲットは10代後半~20代なので、まあ、「若者向け」でいいと思っています。
この“ゲームや漫画を楽しむような若者向けのエンターテイメント小説”を判別するために、良くライトノベル定義論で挙げられる「ライトノベルレーベルから出ているか?」「表紙がアニメ調のイラストか?」という手法をとるわけですが、実際にリストを作成しようとすると、これがなかなか悩ましい。ライト文芸はライトノベルに含めるべきか? ジュブナイルポルノは? この新レーベルのターゲット層はそもそもどこだ? レーベルのない単行本はどうする? と。以下、具体的にそれぞれについて書いていきたいと思います。
狭義のライトノベルレーベル
高校生~20代を主なターゲットとする文庫サイズのレーベル。電撃文庫、富士見ファンタジア文庫、角川スニーカー文庫、MF文庫J、ファミ通文庫、スーパーダッシュ文庫、GA文庫、講談社ラノベ文庫、ガガガ文庫、オーバーラップ文庫、一迅社文庫など。これらのレーベルから出ていれば、間違いなくライトノベルと言い切ってよいと思います。
狭義のライトノベルレーベル(少女向け)
集英社コバルト文庫、角川ビーンズ文庫、講談社X文庫ホワイトハート、ビーズログ文庫、一迅社文庫アイリス、ルルル文庫など。特に男性だと、ライトノベルに入れ忘れることも多いのですが、これらもライトノベルで間違いないでしょう。
ライト文芸レーベル(なろう系を除く)
狭義のライトノベルに比べて、一般寄りといわれる文庫レーベル。メディアワークス文庫、新潮文庫nex、講談社タイガ、集英社オレンジ文庫、富士見L文庫など。「ライト文芸」「キャラノベ」「大人向けライトノベル」のようにライトノベルとは別物扱いされることも多いですが、作家陣やターゲット層は狭義のライトノベルとあまり差がなく、実質的にはライトノベルとイコールと考えていいと思います。
なろう系レーベル
Web小説のノベライズを中心としたレーベル。ヒーロー文庫、モンスター文庫、カドカワBOOKS、アルファポリス、アース・スターノベルなど。エンターブレインや宝島社から単行本として出ているものも含みます。1990年代に流行した異世界ファンタジーが中心で、価格も狭義のライトノベルに比べて高めに設定されているなど、ターゲット層は1990年代にライトノベルを読んでいた30代以上を中心とするレーベルも多い。ターゲットの年齢層が「若者」というにはやや高めなのですが、アニメ調のイラストを使用してるなど、これらをライトノベルに入れないわけにはいかないですよね。……ただ、いつの間にか新レーベルが出てきたりするので、私が把握しきていないのが問題。<をい
ジュブナイルポルノ
美少女文庫、二次元ドリーム文庫、ビギニングノベル等の18禁レーベル。出版社側はライトノベルを名乗っていることが多く、Amazonでもライトノベルにカテゴライズされている。ただ、ライトノベルの評論本などでは、あまりライトノベルに含めることはないので、毎回悩みながらも、今のところ、リストには載せていません。もう少し、投票、要望があれば、検討したいところです。
BL、ティーンズラブ系
女性向けの18禁ありのレーベルという認識であってますか?(^^;。角川ルビー文庫、キャラ文庫、花丸文庫、オパール文庫、蜜夢文庫など。……いや、ここら辺のレーベルについては、まったく知識がなく、また、好きラノではほぼ投票されないだろうということでリストには入れていません。もちろん、投票自体は可能です。
SF、ミステリー専門レーベル
SFやミステリーのような専門レーベルは、そもそも「若者向けか否か」と区切るのは適さないと思うのですが、ハヤカワ文庫JAは、読者層や作家陣が重なっており、また、歴史的にもライトノベルに含めることが多いので、リストに含めています。ハヤカワ文庫JAをいれるなら、創元SF文庫や創元推理文庫もリストに含めてもいいような気はするのですが、一部作家の作品を除くと、あまりライトノベル扱いされることはないような気がするので、今のところ、含めていません。
新書ノベルス
講談社ノベルス、朝日ノベルズ、C★NOVELSファンタジアなど、新書サイズのレーベルは、文庫に比べて価格が高い=ターゲット層がやや高めになるため、ライトノベルに含めるかは昔から議論になるところですが、朝日ノベルズやC★NOVELSファンタジアは、出版されているタイトルを見る限り、ライトノベルの範疇に入ると考えていいと思います。ただ、そもそも発行点数が少なくなっているので、気がついたら入れる感じです。そして、いつも俺を悩ます講談社ノベルス……。や、昔の講談社ノベルスは、もっとライトノベル的な要素が強かったと思うのですが、最近は、西尾維新以外はリストに入れなくていいかな、と思ってますが。
その他
レーベルがない単行本はほんとに悩ましい。エンターブレインや宝島社、TOブックスなどは、実質はなろう系レーベルのようなものなので、一冊ずつ見ればわかるのですが、一冊ずつ見ないとわからないというのは探しにくいんですよね。米澤穂信や桜庭一樹のように一般にも人気が出て、いつの間にかライトノベルレーベル以外で出すようになったシリーズなんかも難しい。……ここら辺は、ラノベの杜 を見て、それっぽいのをリストに入れていれています。しかし、リストを作るのに、いちいち探して確認しないといけないというのは、購入するときを考えても、本来の読者層までリーチしにくいということだと思うのですが、出版社側でもうちょっとわかりやすくしてもらえないものか……。
[ 2017.01.04 ]