好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!!

早川書房 ハヤカワ文庫JA
天冥の標VI 宿怨 PART3 /小川一水

すげー、凄かったっ!! 人類と《救世群》の全面戦争もいよいよクライマックスっ!! 目次の章題からして、作品名そのままの「第五章 天冥の標」、そして「終章 全太陽系応答なし」と、クライマックス感がハンパないっ!! もちろん内容もめちゃくちゃクライマックスで、ほんと、すげーおもしろかったっ!!

勝利を目前にし、硬殻化による《救世群》の悲劇を知る准将オガシ。その圧倒的な戦力を有する《救世群》の前に立ち塞がる、ドロテアを駆るアイネイア・セアキ。一方、小惑星地下都市ヒエロンでは、《救世群》と人類の悲劇を回避する動きが……。と、前巻ラストの衝撃が、微妙に肩透かしな感もするけど、予想を超える怒涛の展開が凄い。ミヒルの歪んだ信仰と地球外知的生命体たちの代理戦争が怖いなぁ。そして、セアキ少年は、やっぱそうなるか(笑)。や、とにかく圧倒的でスケールの大きい話だよなぁ。1巻で、西暦2803年の植民星を舞台を描きつつ多くの謎を残したまま、いきなり2巻で西暦2015年の冥王斑パンデミックを描きはじめたりしたこのシリーズだったけど、なるほど、こういう物語だったのか。千茅さん、あなたの子孫は、遠い未来でこんな大変なことをしでかしちゃいましたよ。

次巻は、メニー・メニー・シープの建国の物語か。1巻によれば、キーになる人物は、《建国の女》サンドラ、政治家ハン、宇宙仕官アウレーリア、建築家ラゴス、医師セアキ、偽薬売り(ダダー)、甲板長ユレインか。1巻に繋がる人物はだいたい出揃ってきたけど、サンドラとかユレインとかはまだだったっけ? あれ? 今巻大活躍のメララは未来世界で存在感ないんだっけ?

[ 2013.01.30 ]