2019年 6月 2日
「小説家になろう」が大幅リニューアル!! ということで、久々に「小説家になろう」のおススメ作品を紹介していきます。ここ数か月の間に書籍化された作品中心に、あと、未書籍化でお気に入りの作品を。
あっ、ちなみに、うちのサイト も、最近リニューアルしました。ラノベの総合サイトらしく、一通りの情報を網羅的に見れるよう変えてます。
身体は児童、中身はおっさんの成り上がり冒険記
https://ncode.syosetu.com/n9984fb/
ツギクルブックスから5月10日に発売。貧乏貴族の三男に転生した主人公が、転生特典のチート能力を駆使して子供にもかかわらず無双していく物語。この主人公、ちょっと独特な科学者気質の持ち主で、これが非常にキャラが立ってて面白いのよ。主人公は無敵なのだけど、必ずしも思い通りに成功するわけじゃなくて、適度に挫折したりするのもよい。まあ、基本は、あくまで俺TUEEEEEEEなんだけど。
異世界賢者の転生無双 ~ゲームの知識で異世界最強~
https://ncode.syosetu.com/n3428fa/
GAノベルから4月12日に発売。ゲーム世界に転生した主人公がゲームの知識を駆使して無双していく話。とにかくご都合主義満載で、低レベルにも関わらずさくさくと強いモンスターを倒していく展開は、めちゃくちゃ爽快で気持ちがいい!! ……しかし、このゲーム、主人公が活躍できるようにチート技がいろいろあったりゲームバランスが壊れてたりするんだけど、聞けば聞くほどクソゲーだよな(笑)。
信者ゼロの女神サマと始める異世界攻略 クラスメイト最弱の魔法使い
https://ncode.syosetu.com/n1217et/
オーバーラップ文庫から3月21日に発売。クラス丸ごと異世界転生するパターンの作品って、転生したクラスメイトの人間関係が歪みまくってることが多すぎるんですが、この作品は、比較的、クラスメイトの人間関係が穏当なのが特徴。転生した中では最弱だった主人公が、弱い能力を工夫しつつ、時に仲間たちと協力しながら成長していく物語。いや、あっという間に成長して、いまや、ハーレム要員をどんどん増やす展開になってる気もするけど(笑)。
暴食妃の剣
https://ncode.syosetu.com/n9161fa/
オーバーラップ文庫から4月24日に発売。格上とのギリギリのバトルの連続でとにかく熱いっ!! また、悪魔のベルゼビュートはじめ、主人公周辺のキャラも非常に魅力的で素晴らしいっ!! 内容は、三流冒険者がスキル強奪系の能力を得て活躍していく展開で、このタイプの物語は、主人公があっという間に強くなりすぎてつまらなくなることも多いんだけど、Web連載の最新話でも、まだまだ強敵が出まくっていて薄氷の勝利の連続なのが凄いよね。
魔力変換最速の魔法使い ~一発撃っている間に千発打ち返す!~
https://ncode.syosetu.com/n9074ff/
未書籍化作品ですが、めちゃくちゃおススメ!! 魔力量が少ないと迫害される世界で速度に全振りした少年が活躍していく作品。いやぁ、基本的には俺TUEEEEEEなのだけど、「魔力量が少ない」というのがきちんと弱点なのでバトルも一工夫あったり、迫害されて育ったので常識がなく、そのため他の人とのやり取りがズレまくっていて愉快だったり、読んでてほんとに楽しい。冒険者とかにならずに学園が舞台なのが、非常にいい味を出している。Web連載は話の内容が大きく変わりそうなところなので、今後の展開が期待もあり不安もありという感じではあるんだよなぁ。
ファンタジーキャンパス 学園魔法RPGのエリート系かませ犬に転生したけど、主人公に構わず真面目に過ごしてみる
https://ncode.syosetu.com/n1278fi/
「魔力変換最速の魔法使い」と同じ作者の作品。ゲーム内で噛ませ犬ポジションのキャラに転生する話。これも、コミカルで楽しい。いや、単に、噛ませ犬ポジションを回避しようと右往左往するだけでなく、「ゲーム開発者の本当の意図はこうだったんじゃね?」とか「あの行動にはこういう意味があったんじゃね?」みたいに、裏に隠れていた思惑が見え隠れするのも、いい味になっている。ただ、こっちも物語の転換点に差し掛かってる感じで、どうなるんだろうなー。
失格から始める成り上がり魔導師道!~呪文開発ときどき戦記~
https://ncode.syosetu.com/n6362fe/
魔力が少ないために廃嫡された少年が「親を見返す」という思いをバネに成長していく物語。一応、前世知識もあったりするのだけど、基本的には努力と工夫で力を手に入れていく様がイイ。いろいろと伏線が散りばめられていて、ストーリー的にもやっと戦記モードに入りそうなので、今後の展開も期待だなー。
処刑された賢者はリッチに転生して侵略戦争を始める
https://ncode.syosetu.com/n0651fj/
魔王討伐後に無実の罪で処刑された賢者がリッチに転生して復讐をはじめる。いや、復讐はあくまでおまけで、世界を敵に回し理想に突き進んでいく辺りが素晴らしいのよ。世界中の悪を受け持つことで、人類の団結と平和を促す、と。もちろん、リッチになったことで手に入れた圧倒的な力で蹂躙していく俺TUEEEEEEE的な要素も楽しい。まあ、人類団結の前に、もう、滅んでしまいそうな勢いだけど(^^;。
2019年 6月 5日
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オーバーラップ オーバーラップ文庫
◆ ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで(3) /篠崎芳 -
「小説家になろう」で最も好きなシリーズ第三弾。今回は、ヒロイン追加でパーティ強化回。……挿絵を見ると、リズはともかく、イヴは全くヒロイン枠っぽくないぞ、どういうことだ?
そゆわけで、女神への復讐を誓い、鍵を持つ「禁忌の魔女」に会うために金棲魔群帯へ向かう展開の中、今回の見どころは、なんといっても呪術師集団アシントとの対決。いやぁ、裏の裏を斯く、手に汗握る展開は、やっぱ、何度読んでも凄いわ。異世界転移した元現代に生きる少年なのに、マジ、人殺しに忌避感なさすぎだろ(^^;。とにかく殺る殺る。
一方、女神サイドは、大魔帝軍との戦いのためにパワーアップを目指す展開だけど、えっと、他の異世界転移組もレベルは三桁に到達するようになっていて、主人公・トーカとの実力差はどんな感じなんだろ? いや、トーカは人類最強を倒して実力あるのはわかるのだけど、せっかくゲームのようなステイタス表示を導入してるんだから、もっとわかりやすく実力差を示すようにしてほしいよなー。
2019年 6月 9日
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KADOKAWA 電撃文庫
◆ 魔法科高校の劣等生(29) 追跡編<下> /佐島勤 -
うひぃ~~、達也以外にも見せ場を作りつつ、交互に魅せていく構成っ!! そして、達也も危機感を覚えるような敵の登場っっっ!! ……ただ、ここまでやらないと達也の邪魔ができないのかという凄く強引な展開で、さすがにちょっとなー。やっぱり、作者のやりたい展開に比べて、九島光宜が弱すぎるのでいろいろ無理をしなくちゃいけなくって、それでもう、物語がめちゃくちゃになっちゃってる感じなんだよなー。
水波をさらって逃げる光宜を追う達也という展開が、前巻でも引き延ばしが酷いと感じてたのに、それがまだまだ続くというね。うーん、ここまでやったら、米国を消滅させるぐらいのカタルシスがないと、どうにも釣り合わないゾ。いや、達也の王国を作って、ハーレム展開でもいいけど。
[ 魔法科高校の劣等生 ]
2019年 6月 10日
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朝日新聞出版 ソノラマノベルス
◆ キマイラ14 望郷変 /夢枕獏 -
ひろしぃぃぃっっっっ!! いや、龍王院弘ですよ、龍王院弘。この龍王院弘が、めちゃくちゃ好きなんですよ。龍王院弘に、菊地に、九十九と、私の好きなキャラクターたちが伊豆に集結して、いよいよクライマックスっっっ!! ……って、もしかして、ここでまた、過去に話が飛ぶのかorz。
昭和を代表するライトノベルシリーズが、令和になっても最新刊が無事刊行。と、それはともかく、遠大なキマイラの謎に迫ろうと思ったら、赤須子の生涯を語らざるを得ないんだろうけれど、うーん、さすがに現代に蘇ってきたりはしないよな? や、キマイラの壮大すぎる歴史に比べると、ただでさえ影の薄い主人公が、ますます存在感が薄くなりそうで、心配でなりません。もともと「キマイラ吼」というシリーズ名だったはずなのに、いつのまにかシリーズ名から「吼」の文字がなくなっちゃてるし、主人公・大鳳吼さんの今後のご活躍に期待しています。
[ キマイラ吼シリーズ ]
2019年 6月 16日
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ソフトバンククリエイティブ GA文庫
◆ ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか15 /大森藤ノ -
過酷な遠征から帰還したベルたちの、ひと時の日常と過去を振り返る短編集。
リューさん(爆笑)。深層の決死行でベルとの絆を深めたリューさんのまさかのポンコツぶりが、いやぁ、おもしろいおもしろい。ラブコメだなぁ。今回は、ダンジョンでの熱い戦いはない代わりに、まったりとした日常とラブコメ展開が楽しいよね。……過去話の中では、ベルとヘスティアの出会いを描いた二つの短編がいい。ヘスティアは、次々と恋敵が登場する状況に、ちょっと残念な感じになっているけど、やはり、この二人の関係は特別感があるよなぁ。そして、もう一人のヒロインであるアイズたんは、えっと、エピローグのエピソードは、どうゆう意味を持つことになるんだ?
2019年 6月 19日
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TOブックス
◆ 本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部「貴族院の自称図書委員VII」 /香月美夜 -
貴族院の二年目も後半。ここにきて政争に発展しそうなフラグが立ちまくりで、いよいよキナ臭くなってきたなー。
ローゼマインの周辺はコミカルな展開が多いので忘れがちだけど、この世界って、王位をめぐる派閥争いで大量の粛正が繰り広げられるような血生臭い世界なんだよなぁ。いやぁ、王族に嫁ぐエグランティーヌ様も巻き込んで、血みどろの凄惨な争いが起きても不思議じゃない。せっかく、派閥争いを回避するために一歩引いたのに、エグランティーヌ様。がくがくぶるぶる。……しかし、ローゼマインは、司書になるつもりだったのが、フラグ的には、なんだか王様を目指すことになりそうなんですけど(笑)。
とにかく、今回はフラグ立てまくりという感じだけど、第四部はまだまだ続くのか。次は、三年生?
[ 本好きの下剋上 ]
2019年 6月 25日
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KADOKAWA 角川文庫
◆ ふたりの距離の概算 /米澤穂信 -
『いまさら翼といわれても』が文庫化したので買ったのですが、その前作の『ふたりの距離の概算』も読んでなかったことに気づいたので購入。……買い損ねてたから言うんだけど、ちゃんとタイトルに「古典部シリーズ」入れて、巻数も記載して、もっとわかりやすく売ってほしいよなぁ。あと、ラノベレーベルじゃないと見逃がしやすくなるので、「角川スニーカー文庫」からも出してほしい、イラストなくてもかまわないので。
まあ、それはともかく、この『ふたりの距離の概算』は、古典部に仮入部したものの急に入部を取り止めた新入生・大日向友子の謎を軸に、この数か月の日常を振り返る連作短編形式のミステリー。マラソン大会中に追い抜いていく古典部の仲間と一言二言言葉を交わしつつ過去の出来事を振り返るという構成なのだけど、この構成とタイトルが秀逸。タイトルの『ふたりの距離の概算』というのは、マラソン大会中の物理的な距離と、すれ違ってしまった心の距離を二つの意味を重ねてるわけよ。マラソンを走りながら謎を解くとか、明らかにおかしいのだけど(笑)、このアイデアは愉快で楽しいよね。
古典部の新作を読んだのは10年ぶりだったのだけど(^^;、その時間を感じさせないくらいに自然にキャラが思い浮かんで、いまさらだけど、すげーキャラが立ってるのんな。各キャラに明確なモットーを持たせているのは、露骨な感じもするけど、キャラを立てる上では非常に有用だわ。……しかし、千反田は、もっと萌え成分が多めだったと思ってたのだけど、いや、そもそも千反田らしく活躍するシーンが少なくなくない?
[ 古典部シリーズ ]
2019年 6月 26日
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KADOKAWA 角川文庫
◆ いまさら翼といわれても /米澤穂信 -
子供のころ、「学校でも大っぴらに漫画を読めるクラブを作ろうぜ」と友人たちと学校へ申請したら、活動内容がいつの間にか「漫画を描くこと」になってたことを思い出しました。
それはともかく、この『いまさら翼といわれても』は、古典部シリーズの最新刊。どこかの雑誌でそれぞれ単発で書かれた短編をまとめた短編集ということかしら? 奉太郎と里志が生徒会長選挙の謎に迫る「箱の中の欠落」、伊原が中学の卒業制作の真相を追う「鏡には映らない」、奉太郎が中学時代の先生の発言の真意を確認する「連峰は晴れているか」、伊原の漫研でのいざこざを描いた「わたしたちの伝説の一冊」、奉太郎が省エネなモットーを持つに至った過去を語る「長い休日」、そして、表題、千反田の内面に迫る「いまさら翼といわれても」。
いやぁ、「長い休日」「いまさら翼といわれても」が、シリーズの核心に迫るような、今後のターニングポイントになりそうな内容なのだけど、そもそも古典部シリーズの続きはいつだ(^^;。そして、収録されている短編のどれも、千反田の活躍があんまり描かれてなくて、そこは残念。もっと千反田を書け、千反田をっ!! まあ、千反田的にも「いまさら翼といわれても」のラストは素晴らしかったけれど、ただ、むしろ今後の展開が気になるって内容だしなぁ。もっとどんどん続きが出ないことには……。
[ 古典部シリーズ ]