好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!!

早川書房 ハヤカワ文庫JA
天冥の標II 救世群 /小川一水

ちょっ、1巻はすげー未来の話だったのに、2巻はいきなり現代なんですけどぉ~~。いや、繋がりはわかるんだけど、読み始めてビックリ。なんという構成だっ!!

南国パラオで発生した未知の伝染病。国立感染症研究所の児玉圭吾は、国際緊急援助隊の一員として、地獄と化した現地に赴く……。という感じで、非常にリアル指向のパンデミックシミュレーション。南国パラオを襲った致死率の高い感染症が、やがて世界各地でアウトブレイクしていくストーリーは、まさに圧巻。とにかく、良くも悪くも小川一水全開すぎる。や、ぐいぐい引っ張るストーリーはとてつもなく素晴らしいのだけど、ところどころリアルなシミュレーションよりストーリーの都合を優先する部分は、リアル指向としての出来がいいだけに、やっぱり違和感。あと、リアルなパンデミックシミュレーションをベースにしてるのに、1巻側のストーリーとの階梯と思しきSF的な伏線も、ちょっと違和感を覚えたり。

それにしても、非常に先が気になるラストの展開なのに、三巻予告。また、遠い未来に戻るのかぁっっっ!!

[ 2010.03.13 ]