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早川書房 ハヤカワ文庫JA
天冥の標VII 新世界ハーブC /小川一水 -
いよいよ、メニー・メニー・シープ建国の秘密がここにっ!! 2巻の冥王斑のパンデミックからはじまる壮大な物語が、「どうして1巻のような舞台になったんだ?」というのが最大の謎の一つだったわけだけど、うわぁ、こんなことがあったのか……。
《救世群》のばら撒いたウイルスにより、絶滅の危機に瀕する人類。小惑星セレスの地下に逃れたのは、5万人の子供たちだけだった……。と、危機的状況で子供たちだけ取り残されるというと、『十五少年漂流記』というよりも『バイファム』辺りを思い出さずにはいられないのだけど、うわぁぁ、ぜんぜん困難さが違う。規模からして、5万人ってムチャすぎるわっ。もともと訓練を受けて優秀なスカウトのメンバたちも、振り回され、多大な犠牲を払いつつ、どうにか生き延びる仕組みと組織を組み立てていくのが、いやぁ、とにかく壮絶で凄い。のちに伝説となる《建国の女》サンドラ、政治家ハン、宇宙士官アウレーリア、建築家ラゴス、医師セアキ、そして、ダダー。伝説では語られていない苦悩が素晴らしいわ。
そして、次で、いよいよ1巻のラストの続きが描かれるのだろうけれど、いやぁ~、めちゃくちゃ楽しみすぎるわっ!!
[ 2014.01.08 ]