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早川書房 ハヤカワ文庫JA
天冥の標X 青葉よ、豊かなれ PART3 /小川一水 -
このやたらスケールのでかい長編SFシリーズも、いよいよ完結。この最終巻は、作品のメインテーマだけあってエッチしまくるのだけど、うーん、もっと羞恥プレイに振るのかと思ったら、わりとふつーでがっかりだっ!!<をい
なにより壮大な物語だったので、読み終えて、感無量でなかなか言葉が出てこないけれど、ただ、微妙な物足りなさはやっぱり感じてしまう。カドムとイサリとアクリラの3Pは、もうちょっとなんとかならなかったのか、とか、ミスチフとノルルスカインも、もうちょっと、こうね。あとは、やっぱり、進化と繁殖に関しての誤謬は、物語の根幹に近いので、気になっちゃうよねぇ。素晴らしい作品だっただけに、何か書こうとすると、どうにも些末なところが気になってしまうなぁ。
何はともあれ、1巻と2巻で「現代から西暦2800年まで描く」と示され、その時点でもスケールの大きさに度肝を抜かれたのだけど、それが、まさか数百年どころか数千万年の時を超え、多数の異星生命体を加えた、これほどの壮大な物語に化けるとは。巻が進むに従いがんがん広がっていくこのスケールのでかさは、マジに素晴らしいシリーズでした。読み終えて、とにかく感無量だ。
[ 2019.02.25 ]