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早川書房 ハヤカワ文庫JA
天冥の標IX ヒトであるヒトとないヒトと PART 1 /小川一水 -
スンクフウーエー。なんだ、このスケールの大きさはっ!! 《救世群》vsメニー・メニー・シープと思っていた物語が、事実が明らかになるにつれて、どんどんスケールが大きくなっていく凄まじさ。セレス移動の謎と《救世群》の目的、謎の宇宙艦隊の存在、そして、カルミアン。わー、ダダーのやりとりがもう最高っ!! いやー、もともと、地球外知的生命体たちの、永劫の時と銀河レベルの攻防を背景に秘めてはいたけれど、《救世群》の物語が、いよいよそのスケールの大きい攻防に組み込まれるようになったかっ!!
一方で、カドムやイサリたちは、未だ自分たちのことだけでいっぱいいっぱいなのだけど、その対比も凄いな。アクリラを交えて、なんだか愉快な関係になってるし。カドムとイサリたちの一行が、物語の鍵になっていくのは間違いないと思うのだけど、すでに彼らの思惑を超えていきなり大きいスケールの物語になってるんだけど、どうするんだ? 確かカドムたちの目的は、「とりあえず、メニー・メニー・シープの外を探索して来ようぜ」ぐらいなものだったよな? スケールの急激な拡大に圧倒されっぱなしの本作だけど、カドムたちの今後も含め、ほんと続きも楽しみで仕方ないっ!!
[ 2015.12.23 ]