好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! - 2018年8月


2018 8 6

小学館 ガガガ文庫
妹さえいればいい。10 /平坂読

「妹だもん」という千尋のカミングアウトにより大きく物語が動くかと思いきや、大きな変化もなく、ラノベ作家としても順風満帆な伊月。って、うわぁ、平坂読、上手すぎだろっ!! 伊月の父・啓輔と『なつ』の話といい、今回の仕掛けは唸らせられるなぁ。

いや、あとがきの心理描写に関する補足の通りなのだけど、まったく「やられた」という印象。素晴らしい。違和感を感じさせつつも、アニメも成功し、売り上げも大きく伸び、なにもかも順調なように見せつつ、こう落としてくるか。正直、人間関係上での爆弾を散りばめてる程度と思って読んでたのだけど、そうだよな、そこを突かずにどこを突くんだって話だよなぁ。作家としての最大の危機を迎えた伊月の今後が楽しみで仕方ありませんっ!!

[ 妹さえいればいい。 ]


2018 8 12

SBクリエイティブ GA文庫
りゅうおうのおしごと! 9 /白鳥士郎

天衣vs銀子。マイナビ女子オープンを勝ち進んだ天衣は、女流棋戦無敗の女王・空銀子と対局する、っと、天衣のメイン回ですよ、天衣のっ!! 天衣やあいからみたら、ラスボス級の銀子との対決っ、これが熱くないわけがないっ!!!! そして、いよいよ天衣もデレ期かぁぁぁぁぁぁっっっ!!<をい

初のタイトル戦、あの天衣ですら心が折れそうになる展開と、それでも信じて見守る八一。そして、運命の第三局。いやぁ、八一の想いを受け取って、女流棋士最強という大きな壁に立ち向かう第三局が、ほんとうに熱い。愛か、愛なのかぁっっっ!!

でも、女流棋戦無敗といっても、銀子さん、すでに奨励会三段の苦悩を描いてたりするので、読者目線だと、そこまで強くみえないんだよね(^^;。それどころか、これがもし銀子回だったら、八一も認める若い才能に、ぼろぼろにされる展開だよなぁ。正直、ここまで銀子と天衣の間に力量差があるとは思っていなかったし、今後、あいとの再戦もあるとすると、むしろ、銀子さんの今後が心配すぎる……。

それにしても、9巻で活躍した万智さんがまともに対局も描かれず敗着とか、万智さん……。

[ りゅうおうのおしごと! ]


2018 8 15

KADOKAWA 電撃文庫
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXIV /宇野朴人

号泣。敵国キオカかとの最終決戦からの第四章が、とことん泣ける構成で、なんども泣かせる(T-T)。シリーズラストを飾るに相応しい、感動の最終巻でした!!!

帝国本土への侵攻を開始したキオカ軍との最終決戦。キオカ軍を率いるジャンと帝国を率いるイクタ、互いに最善手を打ち続けるような、二人の知将の激突が魅せる魅せる。戦記モノで、一方の将を貶めることなく、ここまで両者とも天才を感じさせながらの激突を描いた戦争は、なかなかないよね。そして、そこまで素晴らしい激突を描いておいて、さらにそれを超えて素晴らしかったのが、戦後の帝国におけるイクタの戦い。もう、とにかく泣ける(T-T)。

正直、戦争の終結からの展開は、納得感が弱いのだけど、ただ、それでもあの第四章はシリーズラストを飾るに相応しい内容で素晴らしい。もう、イクタと周りのキャラの想いがあふれていて、何度も泣かせる。泣かせすぎだろっ!! シャミーユとのラストシーンからしりとり、そして、最期まで。ほんとに素晴らしい(T-T)。

そして、余韻を感じさせるエピローグ。その後のみんなの情景もたまらないのだけど、えっと、ラストのラストはちと蛇足感が(^^;;;。……それがともかく、ほんと素晴らしい最終巻でした!!!

[ 天鏡のアルデラミン ]


2018 8 16

KADOKAWA 電撃文庫
魔法科高校の劣等生(26) インベージョン編 /佐島勤

帯によるとシリーズ最終章らしいのだけど、つまんねー

やっぱり、ラスボスっぽい九島光宣が、弱すぎるんですよ。なので、米軍と合流させて光宣サイドの戦力強化を図る展開になるわけだけど、達也さんの前では焼け石に水なわけよな。そんな意味のないバランス調整にページ割くなら、さっさと次の展開を読ませろよ。せめて、バランス調整をするのであれば、達也には及ばなくても、光宣が強いことを示すような見せ方をすればいいものを、描けば描くほど光宣の弱さを示すような描写になっていて、これ、作者がなにをやりたいのかさっぱりわからん。

えっと、マジにこのまま、シリーズ完結までいくの??

[ 魔法科高校の劣等生 ]


2018 8 17

オーバーラップ オーバーラップ文庫
異世界迷宮の最深部を目指そう(1) /割内タリサ

Web版 が面白かったので購入。うわぁ、Web版も十分面白かったのに、書籍版で輪をかけて良くなってやがるっ!!! いや、ストーリー展開は同じなのだけど、Web版で読んで気になっていたところが、ちょっとした描写の追加修正で物凄く改善してるのよ。なろう発で、ここまで上手く書籍化した作品は見たことがない。素晴らしすぎるぅっっっ!!

なろう発の異世界転移。「好きラノ」で ここ数回上位に入っていたので読んでみました。自室で寝てたハズが魔物が徘徊する迷宮で目覚めた少年・相川過波は、元の世界に戻るため「どんな望みでも叶う」といわれる迷宮の最深部を目指す、というもの。「いきなり異世界にきて死にそうになったら、ふつーパニクるだろ」というツッコミに「スキルで冷静にさせればいいんじゃね?」という回答。序盤はスキル発動しまくりで、おもしろいおもしろい。あ、スキル発動が面白いといっても、ベースはシリアスで死線をギリギリ超えていくような熱い物語です。

シリアス系のダンジョンものとしてWeb版も十分に面白いのだけど、いやー、やっぱ、書籍版の改善具合がめちゃくちゃ素晴らしい。Web版を読んでから書籍版を読むと、書籍化の上手下手が如実にわかるのだけど、この作品は、その書籍化時の修正がめちゃくちゃ上手い。Web連載だと、どうしても書きながらの試行錯誤や場当たり的な記述が目立つのだけど、この書籍化はそういう気になるところが丁寧に修正されていて、さらに、描写が弱いところは効果的に追記されてるのよな。それでいて、キャラを追加したりストーリー展開を変えたり、間違った修正はしない。マジほんと、理想的な書籍化修正だわ。……主人公の名前は、別にWeb版のままでも良かったような気がするけど(^^;。

[ 異世界迷宮の最深部を目指そう ]