2017年 12月 1日
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アース・スターエンターテイメント アース・スターノベル
◆ 私、能力は平均値でって言ったよね!(4) /FUNA -
古竜ぅぅぅぅっっ!! マイルの二倍の強さを持つ最強種族の登場で、さすがのマイルも苦戦する展開っ!! 盛り上がってきたなっっっ!! ……って、権限レベルもあるので、総合力ではぜんぜん負けないのだけど。<をい
そゆわけで、自称普通の残念系少女が活躍するコミカルな異世界ファンタジー。新人パーティ「赤き誓い」は、ギルドの依頼を受けて行方不明の調査隊の捜索へ……。と、ポンコツなキャラ達が相変わらず楽しい楽しい。そして今回は、強敵の登場で、マイル最大の危機っ!! いやー、散りばめられた小ネタも楽しく、やっぱすげーおもしろいわ。……しかし、ネタの数々は、割と古いよな。作者何歳だ(笑)。
今までは、なんやかんやで“普通”を目指していたのに、今回で突き抜けてしまって、次回からは新展開か。ただ、正直、展開は無駄も多くテンポもあまりいいとは言えず、ストーリーのほうは多少不安なんだよな。キャラはほんとに楽しいのだけど。
2017年 12月 2日
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アース・スターエンターテイメント アース・スターノベル
◆ 私、能力は平均値でって言ったよね!(5) /FUNA -
古竜の動きを知ったマイルは諸国を巡る旅へ。そして、いよいよ、「赤き誓い」vs「ワンダー・スリー」。……うーん。
楽しみにしていたワンダー・スリーの再登場は、ええっと、合流するでも大きくストーリーに交わるわけでもなく、なんだか顔を見せて終わってしまった感が……。そして、古竜方面の話も特に進捗がなく、そもそも、古竜が失われた文明に興味を持ってると言ったって、急いでなにかしないといけない事案でもなく、ストーリー的にはなにがやりたいのかさっぱりわからんなー。すっかりキャラと小ネタだけの作品になってしまってるのだけど、そのキャラも、マイルはすでにある程度普通でないことに吹っ切れてしまってるので、当初の魅力がかなりなくなってる感じが。せっかくの新展開だったのに、もう少しなにか欲しかったところだよなぁ。
2017年 12月 4日
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アース・スターエンターテイメント アース・スターノベル
◆ 私、能力は平均値でって言ったよね!(6) /FUNA -
前世(笑)。前世は完璧超人という設定だったはずなのに、すでに前世から残念すぎるっ。そして、どうにもオタクネタが多いと思ったら、そういうことかっ。……表紙だれかと思ったら、前世なのんね(^^;。
そゆわけで、巻末書下ろしのマイルの前世、栗原海里の物語が愉快な第6巻。逆に、本編のほうは、正直いまいちだなぁん。失われた文明の謎が本作のメインストーリー、セントラルクエスチョンだと思うのだけど、情報の提示の仕方や、そもそも全体のストーリー構成やプロットの組み立て方が上手くないよね。キャラと小ネタが愉快な作品といっても、それだけだとツライよなぁ。
2017年 12月 5日
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ホビージャパン HJ NOVELS
◆ うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。 /CHIROLU -
宝島社『このライトノベルがすごい! 2018』を見て、購入。単行本部門10位。「小説家になろう」発だけど、ステレオタイプ的ななろう系の小説という感じではなく、むしろ、1990年代あたりのライトノベル系のファンタジーに近い印象。異世界転生じゃないしな。
内容は、冒険者デイルと彼に保護された魔人族の少女ラティナの心の交流を描いた物語。とにかく、ラティナがかわいいかわいいかわいい。って、あ、これ、独身男が少女を引き取って家族になっていく[漫画]『うさぎドロップ』のファンタジー版みたいなテイストの話だよね。ただ、『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。』の場合、デイルが18歳と若く違和感がある。これって、あからさまに娘→恋人にステップアップするための設定だよね(笑)。『うさぎドロップ』が年の差24歳だったことを考えると、ちょっと保守的すぎる。
デイルが凄腕の冒険者で、ラティナが魔王を輩出する魔人族の少女というのも、将来的には勇者と魔王にわかれて血の涙を流すようになると予想できて非常に楽しみ。今はとにかく、ラティナがめちゃくちゃ可愛いことが魅力のすべて(笑)といっていいような作品だけど、先の展開もまた、期待するしかないっ!!
2017年 12月 8日
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ホビージャパン HJ NOVELS
◆ うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。2 /CHIROLU -
親ばかデイルと拾われた娘ラティナのシリーズ二冊目。今回は、デイルの故郷へ二人で帰る話。
いやー、ファンタジーっぽくモンスター退治みたいなことはしないで、あくまでデイルとラティナを中心とした家族の話として組み立てられているのが、素晴らしいな。デイルと故郷の家族との深いつながりを描きながら、閉鎖的な一族にもかかわらず、ラティナもまた暖かく迎い入れられる幸せな風景。一方で、ラティナの特殊性もきちんと描いて、この娘、絶対将来的には一族にも災いをもたらすんだぜ。<をい
といっても、ラティナの魔王化については、魔人族という設定だけで、今のところ気配も何もないわけだけど。ほんと、とにかくラティナの可愛さとデイルの親バカを強調した暖かい物語を貫きつつ、「どうせ恋人になって、さらに敵味方にわかれるんだろ?」と設定で、先を期待させる見せ方が、とことん素晴らしい。いや、ぜんぜん期待と違う展開になるかもしれないけれどなー。
2017年 12月 9日
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ホビージャパン HJ NOVELS
◆ うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。3 /CHIROLU -
親バカな冒険者デイルとその義娘ラティナのシリーズ第三巻。ラティナは、いよいよ娘から恋人になるために一歩踏み出す……。
デイルと親しい女性キャラを登場させつつ、ラティナの幼馴染の少年も成長し、と、基本に忠実に娘→恋人へのステップアップなストーリー構成を組んできたなっ。いや、タイトルがタイトルだけに、もうちょっと娘的な立場で物語を進めるのから思ってたよ(^^;。まあ、デイルの反応もお約束で、ちゃんと関係が変わるのは次かしらん。
そいえば、マスコット的に仲間に加わった愛犬ヴィントは、言葉使いに違和感あるな。一応、シリアスな作風だと思っていたのに、ネットスラング的とかいったい……。
2017年 12月 10日
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ホビージャパン HJ NOVELS
◆ うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。4 /CHIROLU -
クライマックスに近づいてきたのかしらん? ラティナは娘から嫁にステップアップし、一方、魔人族にも動きが……。と、魔王にかかわる謎も顔を出すようになり、いよいよ、ラティナが謎の魔人族という仕掛けが発動しはじめましたっ!! いやー、もしかしたら魔王にならずにこのままか!?と思い始めていたところだったので、この待ちに待ってた展開は期待するしかないっっっ!! めちゃくちゃ楽しみすぎるっっっ!!
先の展開はともかく本巻に関しては、……思った以上にデイルはヘタレでした(笑)。もう少し波乱があるかと思ったのだけど、オーソドックスでお約束な展開。まあ、お約束は悪くない。そして、この幸せの絶頂からどう堕としていくか、続きが楽しみで楽しみでマジたまりませんっっっ!!
2017年 12月 11日
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ホビージャパン HJ NOVELS
◆ うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。5 /CHIROLU -
えぐえぐ、泣ける(T-T)。祖母の送った一族の名前が、ものすごく愛情深くて泣ける。……そして、怒涛の展開すぎるだろっ、素晴らしいっっ!!
魔王となったラティナは、デイルの前から姿を消す……。と、いよいよラティナが魔王に覚醒。いやー、そこからの展開が凄かった。たった1巻でここまで物語が進むかよっ!! 展開早いよっ!! 凄い、とにかく凄かったっっっ!!
消えてからは凄かったのだけど、ただ、魔王に覚醒して消えるまでは、ダメダメと思わざるをえない。いや、当初から予定していた展開だと思うのだけど、それにしては、情報の開示の仕方が下手で、さらに、話の流れも強引で、この物語の要となる展開のわりに、かなり酷いと思った。いや、その後の展開が凄すぎて、すべて許せるけどなっ!! そして、フリソスの正体は、ビックリした(^^;。
2017年 12月 12日
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ホビージャパン HJ NOVELS
◆ うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。6 /CHIROLU -
すべてを解決した二人は、仲間の待つクロイツに戻る……。と、この6巻は、シリーズ全体のエピローグと前日譚。綺麗な最終巻かと思ったら、あれ? これでラストじゃないの??
シリーズは、まだ少し続くみたいだけど、残りは番外編とかかな? 非常に綺麗な大団円。幸せのグランドフィナーレでした。そして、前日譚は、本編でのモヴを見てると違和感しかない(^^;。ふつーに女の子じゃないすか。まあ、前日譚単体では、綺麗な恋愛モノとして悪くないんだけどさ。……しかしほんと、ラティナかわいいよラティナ。
2017年 12月 13日
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KADOKAWA 電撃文庫
◆ ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXIII /宇野朴人 -
前回、衝撃の展開に、「続きはどうなるんだ?」と思って読んだのだけど、今回は、敵味方それぞれのキャラの穏やかな日常を描いた構成。そして、え!? 次回、最終巻なの!!!!
世界の秘密が明らかになるも、キオカと協調する道は選択せず、決戦に向けて準備をすすめるカトヴァーナ帝国。そんな中それぞれのキャラは、穏やかな日々をすごしていた……。と、いかにも“嵐の前の静けさ”という感じで、過去と向き合い将来を考えるいかにも最終決戦前のお約束の構成。いや、前回から一気にラストに行くとは思ってなかったので、ちとビックリした(^^;。……それぞれのキャラの日常は、ポルミとマシューはともかく、キオカ側のキャラがみんな退役しそうな勢いで、これはどういう伏線なんだろ? 結局、キオカよりもトリスナイがキーとなりそうな感じだけど、なにはともあれ、次で決着するのかー。
[ 天鏡のアルデラミン ]
2017年 12月 14日
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TOブックス
◆ 本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部「貴族院の自称図書委員I」 /香月美夜 -
この世界に、まさか司書が実在しているとは……。第一部で紙を自作してたことを考えると、隔絶の感があるな。ビックリだ。
第四部スタート。この第四部は、ローゼマインが貴族の子弟が学ぶ学校で活躍する話か。眠っていた二年間の出来事を振り返りつつ短期間で入学準備を進める前半も興味深かったけれど、なんといっても、進学先の貴族院の設定がいろいろと面白い。領地ごとに順位がついていて、その順位で上下関係が変わるとか、どういう設定だ(笑)。図書館と司書の存在も興味深い。そして、その中で無双しまくるローゼマイン。二年眠っていたにもかかわらずの天才ぶりは、ほかの生徒からしたら化け物以外の何物でもないよな。
第四部になって、他領がいろいろ出てきたり、なんといっても王子が登場したりして、いきなり世界が広がった感じもして、今後の展開も非常に楽しみ。や、王子とか、ローゼマインに巻き込まれ振り回されまくる予感しかしない(笑)。
[ 本好きの下剋上 ]
2017年 12月 15日
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KADOKAWA エンターブレイン
◆ 生き残り錬金術師は街で静かに暮らしたい01 /のの原兎太 -
最近、「小説家になろう」のランキング上位の作品をちょいちょい摘まんで読んでるのですが、その中でもおもしろかったので購入。主人公は錬金術師の少女マリエラ。ちょっとしたミスで200年眠り続け目覚めると、普通にありふれていた錬金術師は死に絶えていた……。と、転生ではないけれど、まあ、異世界転生俺THUEEEEのパターンの一つ。ただ、この錬金術師の設定が絶妙なのよ。
この世界の錬金術師、基本的にポーションしか作れない。回復魔法や薬草なんかもある世界なので、ほかの手段で代替可能という中途半端なスキル。いやー、レアスキルなのでバレたらヤバいんだけど、にもかかわらず、無双できるほど凄いわけではない。優秀ですごく変わってる娘ではあるのだけど、いかにも等身大風な女の子が頑張るって感じの物語になっていて、それが凄くいいっ!!
この第一巻は、200年後の世界で目覚め、そして目覚めた近くの町で、小さな薬屋を開業するまで。テイストが微妙に女性作家っぽいかな?と思って調べたら、コミカライズが女性向けの「ビーズログ コミックス」か。マリエラが買った奴隷、ジークとの関係を含め、続きが楽しみすぎますっ!!
2017年 12月 18日
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KADOKAWA 角川スニーカー文庫
◆ 回復術士のやり直し ~即死魔法とスキルコピーの超越ヒール~ /月夜涙 -
「小説家になろう」で読んで面白かったので購入。いやーほんと、おもしろいおもしろい、めちゃくちゃおもしろい。精神を壊された主人公による容赦のないエログロありの復讐劇。なろうではR15か。ジュブナイルポルノに比べたら表現は控えめなんだけど、レーティング大丈夫なのか?(^^;。
そゆわけで、薬漬けで人扱いされてなかった【癒】の勇者が、その強力な魔法で人生をやり直し、他の勇者に復讐する物語。人生をやり直するといっても一周目のせいで精神が壊れてるのが設定として楽しい。もちろん、回復専門で最弱と思われていた【癒】の能力が、実は、極めるとチートというのはお約束。その壊れた精神でチートな能力を駆使し実行される復讐が、エログロありで容赦なくとにかく愉快で愉快でたまらないっ!! 復讐される側の他の勇者もめちゃくちゃ糞なのが素晴らしい。まったく腐った世界で最高すぎるなっ!!
[ 回復術士のやり直し ]
2017年 12月 19日
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KADOKAWA カドカワBOOKS
◆ 蜘蛛ですが、なにか? /馬場翁 -
「小説家になろう」で読んで面白かったので購入。って、すでにテレビCMもやっているメジャータイトルなので、今更感が半端ないけど(^^;。
物語は、女子高生が蜘蛛のモンスターに生まれ変わる異世界転生モノ。卵から孵ると、周りは空腹のために共食いをしている蜘蛛だらけ。共食いする親兄弟から逃げだすと、食物連鎖の最下層で蛙や蛇に襲われる死と隣り合わせの生活で、食べることのできるエサも毒にまみれた同類の死体。と、そんな地獄のような状況を、楽天的でお気楽な女子高生の一人称で語られるわけよ。そのギャップがとにかく素晴らしい。さらに、同時に死んだ少年も転生してるんだけど、それがパラメータも優遇された王子として転生していて、その恵まれた境遇とのギャップがなおさらスゲー。どう見ても主人公の境遇は酷いんだけど、その一人称文章の筆致のせいで、さっぱり酷く見えないのが素晴らしいんだよなぁ。
ただ、書籍版では、フェイというモンスターに転生した女の子が追加されてるのだけど、いやいや、モンスターに転生してるのは主人公だけだから面白いのに、なんで、いらんキャラ追加したんだ? 積極的に書籍版で改変していくスタイルで、それが改悪にしかみえないとすれば、このまま書籍版を買う価値はあるんだろうか? 素直にWebで読み続ければいい気がしてくるのだけど……。
[ 蜘蛛ですが、なにか? ]
2017年 12月 28日
ここ1年でWeb発のライトノベルを読む機会が増えたのと、最近、「小説家になろう」のラインキング上位作品を読み漁っていたので、「なろう系」つまり「小説家になろう」に代表されるWeb小説を読んだ所感とおススメをまとめておきたいと思います。
と、その前に、なろう系の小説は、電撃文庫などの伝統的なライトノベルと読者層が異なります。伝統的なライトノベルのメインターゲットが10歳後半~20歳前半なのに対し、「小説家になろう」利用者のボリュームゾーンは20代。「カクヨム」だと30歳前後。さらに、それらを専門に書籍化しているレーベルの多くは、30代以上をターゲットとしてます。つまり、なろう系は大人向けなんです。伝統的なラノベレーベルでも、その読者層を狙って、続々と大人向けになろう系単行本レーベルを立ち上げているのが今年2017年のトレンドのひとつになっています。
で、「小説家になろう」をランキングを中心に読んでいくと、思ってたよりもとにかくバラエティが豊富なことに驚きます。なので、たぶん、読んだ作品の種類によって、大きく感想も変わると思うんですが、ま、あくまで現時点で、私が読んだ範囲の感想ということで書いてきます。ただ、「異世界転生俺THUEEEEばかりでつまらない」という人をたまに見かけますが、これだけいろんなタイプの作品に溢れているのに、そういうことを言うヤツはほんとバカじゃね? と、それはともかく、それでも特徴的に感じたことを並べると、
- 文章は非常に読みやすい
- 描写は控えめ
- 軽くコミカルな作品が多い
- はじめから長編シリーズを想定してるものも多い
- スロースタート
Web小説マジ読みやすいです。ラノベの新人賞デビュー作で見かけるような「いろいろ書こうとしているけれどめちゃ読みにくい作品」というのは、Web小説だとほぼ見かけません。まあ、読みにくい作品がランキング上位にくるとは思えないので、ランキング下位の作品まで読むようになると、また印象が変わるかもしれませんが。また、伝統的なライトノベルでは、初めから長期シリーズ前提の作品は商業的な理由でほとんどないのだけど、そういう作品が普通にあるのは、Web小説ならではの魅力ですね。
スロースタートというのは、商業出版では、「序盤に見せ場を用意して読者をひきつける」というのが基本なんだけど、Web小説だとそれがない作品が多いです。なので、本屋で本を選ぶ感覚で序盤を読みはじめると、なかなか見せ場が来ないので戸惑うことがままありました。なので、お気に入りの作品を探すのはなかなか大変だと思うのだけど、歴戦のなろう読者は、どうやって好みの作品を探してるんでしょうか?
おすすめのWeb小説
ここ1年ぐらいで読んだWeb発の小説の中でおすすめの作品を挙げてみます。まあ、今年読んだラノベの中では、Web発の小説のお気に入り度が高く、2017年私的ベストとほぼイコールとなってしまうんですが(^^;。あ、せっかくだから、「好きラノ」の2017年下期 の投票も兼ねときます。
■ 本好きの下剋上 /香月美夜 (小説家になろう)
「好きラノ」「このラノ」など、ライトノベルの人気投票で軒並み一位を獲得したのでご存知の方も多いと思うのですが、今、一番人気があるライトノベルの一つ。読書狂の女子大学生が本が希少な中世ヨーロッパ風世界に転生し、本を読むために試行錯誤していく物語。印象としては、一昔前の少女小説に近く、私的には、特に『彩雲国物語』に近いように感じています。主人公が運命の翻弄されて逆境に陥っても努力して成り上がっていく辺りは、いかにも一昔前にあった少女小説の主人公といった感じ。まあ、主人公のマインの思考は独特で、感情移入するタイプの女の子ではない気がしますが。
【17下期ラノベ投票/9784864726344】
■ 始まりの魔法使い /石之宮カント (カクヨム)
異世界転生で、竜に生まれ変わるパターン。人間に比べて長寿である「竜」に転生するという設定を非常にうまく使っていて、発展していく人間社会と寿命が異なる故の悲哀を綺麗に描いた傑作。富士見ファンタジア文庫から出てることもあって、あまりなろう系らしさはなく(元は「カクヨム」というのもあるかもだけど)、描写などもクオリティは高い。とにかく感動的な恋愛ストーリーは、おすすめ。
【17下期ラノベ投票/9784040722979】
■ 回復術士のやり直し /月夜涙 (小説家になろう)
1周目では薬漬けにされいいように使われていた回復職の勇者が、2周目の人生でそういう扱いをした他の勇者に復讐を果たす物語。エログロありの容赦ない報復は、コミカルで軽い作品が多いなろう系の中では、明らかに異質。というよりも、レギュレーション的に、ほんとに「小説家になろう」に掲載してて大丈夫なのか!? クオリティについも、なろう系の中では一線を隔しており、ダークヒーローものとして異色の出来だと思う。
【17下期ラノベ投票/9784041056806】
■ おきらく女魔導士とメイド人形の開拓記 /佐々木さざめき (小説家になろう)
軽くコミカルで読みやすい、いかにもなろう系らしい作品。もちろんチート。ただ、異世界転生ではなく、2000年寝ていたうちに文明が崩壊してたパターン。主人公は天才魔法少女で、本人はのんびり暮らすために生活環境を改善してるだけのつもりなのに、結果として、文明を再生し国を作ってしまうのが面白い。おきらくな女主人公による一人称の筆致と、軽くさくさく進むストーリが非常にマッチしていて、おすすめです。
【17下期ラノベ投票/9784797392333】
■ うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。 (小説家になろう)
森で親と死に別れていた少女を保護したことから始まる異世界ファンタジー。おそらくラストまでプロットを組み立てた上で書かれたであろう物語は、非常に綺麗で感動的。私的には、1990年代のライトノベル的な匂いがするようにも感じられて、なろう系の異世界ファンタジーというより、一昔前のファンタジーを求める層におすすめしたいような作品です。
【17下期ラノベ投票/9784798615011】
2017年 12月 31日
- 01/13 [文庫]りゅうおうのおしごと!(7) /白鳥士郎
- 01/18 [文庫]やがて恋するヴィヴィ・レイン(5) /犬村小六
- 01/20 [文庫]ゲーマーズ!(9) 雨野景太と青春スキルリセット /葵せきな
- 01/25 [文庫]電脳格技メガフィストガールズ /杉井光
▽ ラノベ人気投票『好きラノ』2017年下期 開催中。投票受付は1/7(日)まで。
▽ streamで50%オフだった『Civilization VI』購入。何回かプレイしてみたけれど、『V』に比べて大味な印象。とりあえず、内政よりも戦争してればいい感じ。や、まだ、細かいルールを把握してないからだからかもしれないけど。区域とかさっぱりわからん。