好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!! - 2018年3月


2018 3 1

KADOKAWA 角川スニーカー文庫
回復術士のやり直し2 ~即死魔法とスキルコピーの超越ヒール~ /月夜涙

相変わらずHシーン満載なのだけど、ホント角川スニーカー文庫からよく出版できるよな。もともと「小説家になろう」の作品なのだけど、18禁の「ノクターンノベルズ」ではないのも不思議だ。

まあ、エロエロなのはともかくとして、勇者パーティの中で虐げらていた【癒】の勇者ケアルが、最悪だった人生をやり直し、他の勇者に復讐を誓う物語。この2巻は、ケアルを追う近衛騎士隊長をはじめとしたジオラル王国の兵士と、ラナリッタの街で対決するという展開。そして妹姫登場。いやー、やはり、主人公ケアルの歪みっぷりと、ジオラル王国の兵士や妹姫の鬼畜な行動が、非常に楽しい。異世界なんだから、このぐらいの外道ぶりを描いたほうが、絶対楽しいと思う。ケアルは壊れた精神でありながら、人を害することに言い訳を用意していて、その部分がなおさら歪み具合を強調していて、いい味出しているよね。

とにかく、エロエロな復讐劇というのは、ほんとに楽しい。続く妹姫との戦いも、期待するしかないっっっ!!

[ 回復術士のやり直し ]


2018 3 4

KADOKAWA 富士見ファンタジア文庫
ゲーマーズ! 9 雨野景太と青春スキルリセット /葵せきな

ちょっ、新キャラ投入かよっ。恋愛に絡むキャラではなさそうだけど、展開に唐突感あるなぁ。

そゆわけで、コノハさんがもう少し恋愛に参入してくるかと期待していたらそうはならず、千秋と天道さん、景太の三角関係に、真音さん登場で無理やり亜玖璃を絡めてくる展開。えぇっと、物語が停滞してきたので物語を引っ掻き回すタイプの新キャラを投入してきた感があからさまで、かなり強引で違和感しかないな。今まで凄かった次巻への引きも、今回はそれほど強力ではなく、うーん、今後の展開がかなり心配だ……。

[ ゲーマーズ! ]


2018 3 5

KADOKAWA ファミ通文庫
覇剣の皇姫アルティーナXIII /むらさきゆきや

皇帝継承レースに負け帝国元帥となったアルティーナは南方戦線へと……。皇帝についたラトレイユの覇権路線のため、平和路線のアルティーナとレジスも他国との侵略戦争へ走る展開。この巻は、その侵略戦争の前段として、南方の部隊の立て直しという話。

まあ、他国に侵攻してからが本番だよねー。平和路線のアルティーナが、実際に侵略できるのか? 侵略の悲劇を目にして耐えられるのか? みたいな部分が強調されてるのだけど、この作品で、どこまで勝者側の略奪等の残酷さを描けるんだろうか、って、描けないような気がするのだけど(^^;。よほど戦争の悲惨さを描かないと、アルティーナの路線が正しくラトレイユの路線が間違っているとは描けないと思うのだけど、さて、どうするんだろうか。

[ 覇剣の皇姫アルティーナ ]


2018 3 9

KADOKAWA MF文庫J
絶対彼女作らせるガール! 2 /まほろ勇太

この2巻は、表紙も飾っている 猪熊みりあ のターン。1巻が綺麗に終わっていたので、どう続けるのかと思っていたのだけど、玲花先輩がほとんど空気になってる。<をい。……昨年二位だった みりあ は、雪辱を晴らすため、大地とともに学祭のミス・ミスターコンに参加するという展開。みりあ のモデル仲間、蛇乃目杏南も登場し、恋愛色は薄くなって、思春期らしい友情物語になってきてるな。

やはり、V3――白星絵馬、鷹見エレナ、猪熊みりあ の三人の個性が強いんだけど、むしろ、あまりに強すぎて、他のキャラが目立たない問題。いや、これだけ強いキャラが三人もいたら、キャラクター小説としてはむちゃくちゃ強力なんだけど。にゅるにゅるする鷹見エレナとか、いろいろおかしい。鶴姫と玲花先輩には、もうちょっと頑張ってほしいところで、もっと、ちんちんちんちん言え。<ちげー。や、次回は、鷹見エレナ辺りのターンになるんだろうか?

[ 絶対彼女作らせるガール! ]


2018 3 10

SBクリエイティブ GAノベル
魔王様の街づくり! 2 ~最強のダンジョンは近代都市~ /月夜涙

いよいよ街づくり。……本当に街を作りはじめるとは思わなかったよ(^^;。

500人の魔王がダンジョンを拠点に戦争をする物語。1巻の印象では、てっきり銃火器を使った大規模な戦争を中心に描いていくのかと思ったのだけど、この2巻は、建物をつくり、農地をつくり、移民や商人を呼び込んでいく展開で、いや、街づくりもちゃんとやるのね。でも、いきなり荒野に街が出現するとか、胡散臭すぎるだろ(笑)。しかも、街の描写が薄く、ビジュアルイメージもないので、どういう街なのかわからないのも難点。街づくりを描くなら、ここら辺はちゃんと描いてほしい。

といっても、次巻はまた戦争メインになるのかしら? さくさくと大規模な軍隊を創設して、敵をどんどん蹂躙していってほしいなぁ。

[ 魔王様の街づくり! ]


2018 3 11

KADOKAWA 電撃文庫
魔法科高校の劣等生(24) エスケープ編<上> /佐島勤

今まで以上に自制が壊れはじめてる深雪さんは楽しいけれど、んー、下巻もすぐ出るみたいだし、それ次第かなー。達也が強くなりすぎて、武力ではなく政治力も使って排除しようとする方向性は上手いと思うのだけど、ただ、展開にいろいろと不自然さがあるのが気になる。さっさと俺TUEEEEEして、米国もロシアも日本も潰してしまえばいいのに……。

しかし、達也が本気になれば簡単に人類絶滅、と大騒ぎしてる段階にもかかわらず、四葉も従わざるを得ない裏社会のドンとか、達也に対抗できる若者が世界に10人以上いるとか、なんでそんなゴミのような設定を出してくるんだ? いや、どうせ誰も達也に勝てないんだから、筋が悪いと思うんだけどなぁ。

[ 魔法科高校の劣等生 ]


2018 3 12

TOブックス
本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部「貴族院の自称図書委員II」 /香月美夜

引き続き、貴族院での学園生活。マイペースに図書館通いをしようとするローゼマインに、周りの学生たちが振り回される展開。予想通りの内容で、おもしろいおもしろい。特に、トラウゴットのエピソードとか、ローゼマインの性格がよく表現されていておもしろいよね。

また、この貴族院、現代日本にあるような学校ではなく、貴族政治の前哨戦としての性格を強く打ち出した設定は上手いよね。いや、なろう系異世界ファンタジーって、何故か学園モノをやりたがる傾向があるように思うのだけど、大体つまらないのよ。それが、この作品では、ありがちな学園生活ではなく、政治力による戦争のような形になっていて素晴らしい。……領地の力関係が変わるような重要な駆け引きを子供たちにやらせるってどういう社会だよ、という気はするけど(^^;。

ただ、予想通りは予想通りの展開なので、微妙に物足りなさも感じるかしらん。や、いったんエーレンフェストに戻ってきたりのするので、今後は、もちょっといろいろな展開があるのかしらん?

[ 本好きの下剋上 ]


2018 3 13

SBクリエイティブ GAノベル
魔王様の街づくり! 3 ~最強のダンジョンは近代都市~ /月夜涙

ワイトぉぉぉぉぉぉっっっ!! あああぁぁっ、まさかの漢vs漢の熱い闘いっっっ!! ロリコンラノベじゃなかったのか(^^;。

いよいよ戦争開始。三人の魔王【鋼】【粘】【邪】から宣戦布告を受けた【創造】の魔王プロケル。不利な条件の中、はじめての戦争で勝利をつかめるのか!? ……って、三人の魔王ともいかにも雑魚といった演出で、まあ、負けるわけはないんだけどさ。むしろ、もっとさくさく勝つのかと思ったら、思いの外に熱い闘いで素晴らしいっ!! クイナはじめ三人の娘たちにも、もちろん見せ場を作りつつも、最大の見せ場をアンデッドのおじさんキャラ・ワイトに用意するとかいったい(^^;。戦争前にきちんとフラグも立ててる念の入れようといったらっ!!

……それにしても、この作品、てっきり異世界転移かと思ってたのだけど、もしかして、SFなのかしらん???

[ 魔王様の街づくり! ]


2018 3 17

SBクリエイティブ GAノベル
魔王様の街づくり! 4 ~最強のダンジョンは近代都市~ /月夜涙

そう、こういう展開が読みたかったっ!! いやー、せっかく大量の破壊兵器を保有した上での戦争を描くなら、単純な魔王vs魔王ではなく、交渉、諜報ありの大規模な軍隊同士の戦争が見たいわけよっっっ!!

そゆわけで、魔王プロケルの街も順調に成長し、隣街との軋轢が……。と、新たに諜報担当の魔物、ルルイエ・ディーヴァも登場し、難癖をつけてくる隣街と、戦争に発展するのか!?という展開。まあ、この世界観で人間が魔王の相手になるわけはないのだけど、それでも、せっかく大量破壊兵器を持っているのだから、それを活かす展開のほうがおもしろいよな。大量虐殺ぅぅぅぅぅっっっ!!

まあ、人間の裏には、もちろん他の魔王の影がちらつくのだけど、でも、魔王との戦いは、しばらく小康状態なのかしらん? 【風】の魔王ストラスが割と好きなんだけど、他の魔王とのあれこれがないと出番がないのが残念だっ。

[ 魔王様の街づくり! ]


2018 3 18

SBクリエイティブ GA文庫
りゅうおうのおしごと! 8 /白鳥士郎

構成を工夫した中休み的な短編集、と思って読んでいたのだけど、うわぁ、終盤が熱い、感動しかないっっっ!!

いくつかの短編を挟みながら、メインは、小学生時代から親友でライバルだった供御飯万智と月夜見坂燎の「山城桜花」の位をかけたタイトル戦。棋士に比べて棋力は劣るために客寄せパンダのような扱いの女流棋士の葛藤。自分の殻を破り一歩踏み出す万智の一手に、もう、涙しかないっ。

小学生時代のライバル、九頭竜八一、神鍋歩夢、供御飯万智と月夜見坂燎。女流棋士のタイトルは保持するものの、八一や歩夢には大きく差をつけられた二人の対決というのは、もの凄く残酷な場面設定だよな。それでも熱く滾る将棋への想いっ!! ……しかも、これを描いておいて、次は、新たな才能である天衣との対局という、再び万智の心を折りにいくような展開なんだよな。

しかし、八一への想いでは最強ともいえる万智のメイン回にもかかわらず、あまり恋愛的な展開がなかったのはちと残念だ。

[ りゅうおうのおしごと! ]


2018 3 22

KADOKAWA 電撃文庫
恋してるひまがあるならガチャ回せ! /杉井光

読み終わってみると、結局、いつもの杉井光という感じだけど、うーん、いまいちという印象は拭えないかなー。どうにも、ネタと杉井光の作風があっていない気がする。

内容は、旧華族で誰もが憧れる学園のアイドルが、自分と同じスマホの廃課金ゲーマーとわかるところからはじまるラブコメディ。まあ、展開はべたで定番、王道でオーソドックス。そして、安定の杉井光なので、もっと面白くてもいいと思うのだけど、……正直、杉井光しては微妙だよなー。いや、主人公もヒロインも、今までの杉井光のキャラに比べて格段に魅力に欠ける印象。さらに、キャラとストーリーの齟齬も大きく、作者のプロットにあわせて無理やり動いてる感が強いのよ。単純に出来悪いよね。

[ 恋してるひまがあるならガチャ回せ! ]


2018 3 28

徳間書店
カミカゼの邦 /神野オキナ

『あそびにいくヨ!』の神野オキナが送る非ラノベの一般文芸。尖閣諸島をきっかけに沖縄が戦場になる物語で、どうしても作者の政治思想が反映されてそうで読むのに躊躇してたのだけど、読んでみれば、いつもの神野オキナでした。むしろ、この内容でラノベらしいファンタジー要素がないとか、わけがわからない。<をい

物語は、先に書いた通り、尖閣諸島をきっかけに沖縄が戦場になるというモノ。民兵の部隊長、渋谷賢雄を主人公に、元ヤクザの諸見座晄三郎や元教師の政永恭子などの登場人物を見ると、主人公が少年ではないこともあって、はじめは神野オキナらしくないようにも感じたのだけど、これに、セックスフレンドのリマが加わった辺りから、結局、いつもの神野オキナ感が強くなって、いろいろ台無しすぎる(笑)。や、いつもよりもセックスとバイオレンスは多めで、一般文芸ということのためか、いつもと違うことをやろうとしてたようにも見えたのだけどな。うーん、せっかくなんだから、もっとセックスとを増量したりしてはっちゃけても、よかったのではなかろうか。

[ カミカゼの邦 ]


2018 3 31

来月の新刊チェック。ライトノベル発売日一覧 から。
  • 04/01 [文庫] 回復術士のやり直し(3) ~即死魔法とスキルコピーの超越ヒール~ /月夜涙
  • 04/10 [文庫] 魔法科高校の劣等生(25) エスケープ編<下> /佐島勤
  • 04/10 [文庫] ブギーポップ・ビューティフル パニックキュート帝王学 /上遠野浩平
  • 04/25 [文庫] エイルン・ラストコード ~架空世界より戦場へ~(8) /東龍乃助
アニメ化でトラブってる 『ブギーポップ』の新刊は、アニメ絵バージョンの新装版とかでないのかな?<をい